2018年2月12日(月) 東京競馬11レース
第53回 クイーンカップ(GⅢ) 東京芝1600m
《クイーンカップ2018 追い切り後見解》
3枠5番 ソシアルクラブ(岩田康誠 54kg)
栗東坂路を単走での最終追い切りで、そこまでスピード感を感じさせる動きではありませんでしたが4F53.7-12.7の自己ベストタイムを計時してのフィニッシュでした。個人的な印象としては可もなく不可もなく、といった感じの動きで、今回の動きで好勝負できるようであれば能力自体が高い証拠と見ていいと思います。
5枠10番 マウレア(戸崎圭太騎手 54kg)
美浦ウッドにて僚馬と2頭併せ馬での最終追い切りで、直線に入って内から並び掛けると手応え的にはほぼ馬なりの手応えのまま最後まで併走相手と叩き合いを続け、最後は5F70.1-12.7のタイムでのほぼ同時併入でした。手応えは楽でしたがそれなりに負荷はしっかり掛けられ、ラストまで気を抜かせないといった意味でも好内容の調教で休み明けですが十分に走れる状態にあると思います。
6枠12番 レッドベルローズ(福永祐一 54kg)
美浦ウッドにて僚馬と2頭併せ馬での最終追い切りで、直線に入ってから強めに追われると先行する僚馬に内から並びかけ、4F52.9-13.1のタイムでゴールではクビ差程度先着してのフィニッシュでした。フェアリーSの最終追い切りが馬なりだったのに対して今回はキッチリ追った内容から同レースへの本気度が感じられ、状態は高いレベルで安定していると見てもよさそうです。
7枠13番 ツヅミモン(Mデムーロ 54kg)
栗東Cウッドにて単走での最終追い切りで、残り100mを切った辺りから一杯に追われるとグッと馬体が沈んで一気に加速し、最後は-11.7のタイムでのフィニッシュでした。鞍上の指示に対して一瞬で加速した反応の良さは非常に大きな武器と言えそうで、調教の動きから好調なのは間違いないためここでも上位争いをしてくれるのは間違いないと思います。
7枠14番 オハナ(石橋脩 54kg)
美浦ウッドにて僚馬と2頭併せ馬での最終追い切りで、ゴール前は多少促されましたがほとんど馬なりの手応えのまま素軽い動きを見せ、5F70.1-12.4のタイムでほとんど並んだままゴール板を駆け抜けました。タイム的にはそれほど突出したものはありませんが馬自身に非常に活気がある動きで、この馬なりに好状態をキープしていると見ていいと思います。
《クイーンカップ2018 追い切り後展望》
単走での追い切りではありましたがツヅミモンがゴール前で見せた馬体が沈んでからのスピード感溢れる走りはまさに一流馬のそれで、個人的には一番印象に残った追い切りでした。またレッドベルローズに関しても今回初めてと言っていいほど厳しく攻めた調教内容と言えそうで、それに応える体力と精神力が身に付いたことからもここで好結果を残せるようであればクラシックでも注目を集める存在になれそうで、個人的に推しておきたい1頭です。
《クイーンカップ2018 最終予想オッズ》
①人気 マウレア 3.1倍
②人気 ツヅミモン 4.8倍
③人気 テトラドラクマ 5.9倍
④人気 オハナ 8.5倍
⑤人気 アルーシャ 10.3倍
⑥人気 フィニフティ 10.9倍
⑦人気 レッドベルローズ 12.5倍
⑧人気 ソシアルクラブ 20.1倍
⑨人気 ナラトゥリス 26.1倍
⑩人気 モデレイト 45.4倍
《クイーンカップ2018 展開予想》
ここは明確な逃げ馬がいないため何が行くかを予想するのがなかなか困難ではありますが、近走のレースを見るとツヅミモンがハナを奪う展開もありそうです。スタート次第ではライレローズや武豊騎手のモデレイト辺りが行くことも考えられますが、逃げ馬にとって厳しい東京1600mのコースを考えるとそれほど前がやり合うことは考えにくいため、道中はスローペースになる可能性が高そうな気がします。先行集団を作るのは1番人気マウレアを筆頭にオハナ、テトラドラクマ、フィニフティ、マルターズルーメン、ロフティフレーズといったメンバーになりそうです。この中でも他の全馬の意識はマウレアの動き出しに集中することになりそうですが、マウレア自身もそこまで切れる脚を武器にしているタイプでもないだけに早めの仕掛けで来ることが考えられ、後続がこの動きに呼応して動いてくるようであれば直線では一瞬の切れよりも『持続力』の勝負になる可能性が高そうな気がします。中団から後方に待機して直線で自慢の末脚で勝負するのは、レッドベルローズ、ハトホル、アルーシャ、ソシアルクラブ、ナラトゥリスといったところでしょうか。牝馬同士のレースだけにスローで馬群が一団となって進むようであれば末脚自慢のこのグループにとっては非常に追い風と言えそうで、特にディープインパクト産駒でまだ隠れたギアを持っていそうな可能性があるレッドベルローズとアルーシャの2頭はオッズ次第で単勝を押さえておくと面白いかもしれません。重賞2着があるツヅミモン以外はここで賞金加算をしなければ時期的にクラシックに向けてローテーションが厳しくなってしまう為、どの陣営にとってもここはかなり本気度が高いと見てもよさそうで、ここで強い勝ち方を見せた馬は純粋に『地力上位』といった評価をしても問題ないと思います。
《クイーンカップ2018 最終1着予想》
テトラドラクマ(牝3)
前走:フェアリーステークス(GⅢ)1人気6着
父:ルーラーシップ
母父:ファルブラヴ
土曜日の開催でも雨が降ったこともあって近年に比べてもかなり馬場状態が悪くなっている京都競馬場に比べて、今夜(土曜日)から明け方にかけて雨混じりの雪が降りそうなものの日中の気温が高くなりそうなこともあってそれほど悪い馬場になりそうにない東京コースにおいて、馬場適性や枠順も含めると同馬が最右翼の存在ではないかと思います。前走のフェアリーステークスでは『外枠不利』が定説の中山1600mで大外枠を引いた上に出遅れて、さらに道中掛かり気味に上がっていく非常にロスの多い競馬でしたが、それでも0.5差の6着に粘っているのは同馬の能力が非凡である証拠で、今回と同じ舞台の未勝利戦で1.33.9の好タイムで2着を5馬身突き放した内容は非常に濃いものだったと思います。3走前の未勝利戦では後にフェアリーステークスを制するプリモシーンとマッチレースでクビ差の2着だったことからも、同馬が重賞級の能力の持ち主であるのは疑いようのない事実ではないでしょうか。馬場が乾く時に内側から乾いていく傾向がある東京コースで内枠を引けたのも他の有力馬に対して大きなメリットと言えそうで、今回は互角のスタートさえ切ることができれば巻き返してくる可能性はかなり高いものがあると信じて本命評価にしたいと思います。