【シンザン記念2019予想/出走予定馬分析】安定感なら同世代の中でも随一!確実に伸びてくる末脚を武器にクラシックへ向けて賞金加算をするのはアノ馬!?

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2019年1月6日(日) 京都競馬11レース

第53回 シンザン記念(G3) 京都芝1600m

 

《シンザン記念2019/レース展望》

 

一時期はクラシックへと繋がらない重賞として存在感が希薄になっていた時期もあったシンザン記念ですが、近年だけで見ても07年1人気2着ダイワスカーレットが桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯を勝利し、11年3人気2着オルフェーヴルが牡馬3冠+有馬記念、12年2人気1着ジェンティルドンナが牝馬3冠+ジャパンカップを勝利すると、極めつけは昨年勝ち馬アーモンドアイが牝馬3冠に加えてジャパンカップを2.20.6という驚異的なタイムで完勝するなど、春のクラシック戦線に向けて同レース勝ち馬が一気に飛躍する『登竜門』的存在のレースとなってきています。他にも11年6人気3着マルセリーナが桜花賞を勝利すると、14年1人気1着ミッキーアイルが後にNHKマイルカップ、マイルチャンピオンシップとマイルGⅠを2勝、16年2人気2着ジュエラーが桜花賞を勝利し、そして昨年1人気3着ペルシアンナイトが皐月賞2着に加えて3歳でマイルチャンピオンシップを制覇するなど非常に高確率でGⅠでの活躍馬を送り出しており、非常に注目度の高いレースであるのは間違いないでしょう。

 

また面白い傾向として必ずしも勝ち馬が活躍しているわけではなく2、3着馬からもその後GⅠを複数勝利している馬を輩出しており、さらに注目してほしいのが『シンザン記念で3着以内に入った牝馬が高確率で桜花賞を勝利している』といった点です(07年ダイワスカーレット(2着)、11年マルセリーナ(3着)、12年ジェンティルドンナ(1着)、16年ジュエラー(2着)、18年アーモンドアイ(1着))。今年も新馬戦を快勝したパッシングスルーに近親にジェンティルドンナがいる良血ドナウデルタの2頭の牝馬が出走を予定していますが、もしここで3着以内に好走するようであれば人気の有無に関わらず桜花賞で要注目の存在としてクラシックまで追い続けていきたいところですね。

 

《シンザン記念2019/予想オッズ》

 

①人気 クリノガウディー   2.6倍

②人気 アントリューズ    3.2倍

③人気 ドナウデルタ     4.9倍

④人気 ゴータイミング    6.1倍

⑤人気 ニホンピロヘンソン  15.1倍

 

《シンザン記念2019/出走予定馬分析》

 

クリノガウディー(牡3)

騎手:藤岡佑 調教師:藤沢則(栗東)

主な勝鞍:朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)2着

新馬戦を快勝して勇躍臨んだ2走前の東京スポーツ杯2歳ステークスでは7着に敗れたものの、先行した馬に厳しい流れの中を掛かり気味の2番手追走から最後まで粘って勝ち馬から0.5差で走っており、及第点以上の内容と言えるでしょう。それを証明するように前走の朝日杯フューチュリティステークスでは1枠1番の恩恵はあったものの、好スタートから終始好位のインで脚を溜めると直線先に抜けたアドマイヤマーズを追うように伸びて2着を確保し、新馬戦と前走がフロックでないことを証明しました。気性的に前に前に行きたがる面はあるものの、溜めれば確実に切れる末脚は同世代の中でも上位のものであるのは確実で、これまで戦ってきた相手関係を考えても今回のメンバーにおいて能力・実績共に最上位の存在であるのは誰の目に見ても明らかでしょう。唯一57キロを背負うことで取りこぼす可能性も無きにしも非ずではありますが、スムーズに直線を向けば間違いなく勝ち負けを演じてくれるのではないでしょうか。

 

ハッピーアワー(牡3)

騎手:秋山 調教師:武幸(栗東)

主な勝鞍:すずらん賞(OP)

デイリー杯2歳ステークス(GⅡ)3着

3戦目で未勝利戦を勝利すると勢いそのままに続くすずらん賞も直線一気の差し切りで勝利して連勝を飾り、前走のデイリー杯2歳ステークスではこれまでの相手関係に加えて一気の距離延長が嫌われてか5番人気と低評価ではありましたが、逃げたアドマイヤマーズと2番手追走のメイショウショウブがそのままワンツーフィニッシュを決める前残りの流れの中を最後方追走から最速の上がりを使って3着まで押し上げたのは同馬の高い能力の証明以外何物でもないでしょう。これまでデビューして5戦全てでメンバー中2位以内の上がりを計時しているようにどんな展開でも確実に伸びてくる末脚が最大の武器で、これまで3着以内を外していない安定感もまだ未完成な3歳戦においては非常に頼りになるものだと思います。前走の1、2着馬がその後のGⅠで好走しているように強い相手に好走してきたのも好材料で、過去5年で同じハービンジャー産駒が2頭馬券内に好走している血統的な後押しも含めて要注目の1頭ではないでしょうか。

 

アントリューズ(牡3)

騎手:川田 調教師:栗田徹(美浦)

主な勝鞍:ベゴニア賞(500万)

2000mで迎えた新馬戦では直線での伸びを欠いて7着に敗れたものの、1600mに距離短縮した未勝利戦を好位追走から直線余裕十分に抜け出す正攻法の競馬で快勝すると、前走のベゴニア賞では少頭数の競馬ではあったものの中団に控えてしっかり折り合い、直線馬群の一番外から追い出すと一完歩ずつ前との差を詰めて最後は着差以上の完勝で2連勝を飾りました。そこまで切れるといった印象はないものの追って確実に伸びる末脚はこの時期の3歳戦においては大きな武器で、1戦毎に成長が感じられる産駒が多い父ロードカナロアの特徴がいい意味で出ているのも高評価していいポイントだと思います。今回初の関西圏での競馬となるだけに輸送面の克服など課題点は多くあるものの、昨年秋の王道路線におけるキセキでの騎乗を見ても分かるように先行する競馬に非常に定評のある川田騎手が騎乗するのは自在性のある同馬にとっては大きな追い風となりそうで、スムーズに先行すれば大崩れなく走ってきそうな1頭だと思います。

 

ドナウデルタ(牝3)

騎手:福永 調教師:石坂(栗東)

主な勝鞍:未勝利戦(阪神芝1400m)

デビュー戦では押っ付け気味の追走から直線も加速に時間を要していたようにまだ競馬が分かってない状態で2着に敗れましたが、続く未勝利戦では雨で重たくなった馬場を苦にせず直線を向いてしっかり加速すると先に抜け出していた2着馬をキッチリ捉える着差以上の完勝で初勝利を挙げました。前走のデイリー杯2歳ステークスでは前半3F36.8の超スローペースを後方で追走し、直線を向いて進路を探すロスがあったものの最後は混戦の4着争いでやや伸び負けする形での5着と不完全燃焼の競馬となってしまいました。1400mの速い流れで最後いい脚で伸びているように本質的には上がりの掛かる展開で長くいい脚を使うタイプで、冬場の力のいる馬場は同馬にとってはプラスに働くのではないでしょうか。荒れ馬場で実績を残しているように一雨くれば他馬が苦労する分評価を上げておくべきと言えそうですが、その反面瞬発力勝負になった場合分が悪いのも事実で好走するには展開や馬場の助けが必要となりそうです。成長力のある血統だけに前走からの上積みは期待してよさそうで、当日の状態を見て判断したい1頭ですね。

 

《出走予定馬分析から見る本命馬》

 

ハッピーアワー

正直今年の出走予定馬を見渡す限りでは昨年のアーモンドアイのような抜けた存在は見当たらず、そういったメンバー構成であればこれまでの実績や安定感を評価して同馬を本命評価にしたいと思います。前走のデイリー杯2歳ステークス3着は勝負が決した後で伸びてきての内容だっただけに評価が難しいところはあるものの、出遅れに加えて超スローペースと厳しい条件の中でも只1頭後方から伸びてきたのは同馬の地力の成せる業で、父ハービンジャーといった血統に加えて札幌や阪神での好走実績から力のいる馬場に対する適正はかなり高いと見ていいのではないでしょうか。前走勝利したアドマイヤマーズが無傷の4連勝で朝日杯フューチュリティステークスを勝利し、2着メイショウショウブも阪神ジュベナイルフィリーズで先行馬総崩れの流れの中を2番手追走から6着に健闘しており、強い相手に対して好走した事実を加味してもこの舞台であれば十分勝ち負けできるだけの能力はあると信じて狙ってみたいと思います。