2018年2月11日(祝) 京都競馬11レース
第111回 京都記念(GⅡ) 京都芝2200m
《京都記念2018 追い切り後見解》
・レイデオロ
美浦ウッドにてバルジュー騎手が騎乗して3頭併せ馬での最終追い切りで、直線に入って先行する2頭の外から楽な手応えで並びかけるとそのまま並ぶ間もなく抜き去って、ゴール前だけ強めに追われると最後は5F69.6-12.4のタイムで2馬身程度先着を果たしました。追ってからのスムーズな加速と馬体が沈む走りからは非常にスピード感が感じられ、休み明けながら8~9割程度は十分に仕上がったと見てもよさそうですね。
・アルアイン
栗東Cウッドにて川田騎手騎乗して2頭併せ馬での最終追い切りで、直線に入って内から並びかけ軽く仕掛けられると一気に相手を突き放すスピード感溢れる動きで最後は5F57.2-11.7のタイムで3馬身近く先着してのフィニッシュでした。併走相手が格下だったこともあって着差自体は妥当と言えそうですが、休み明けながらスピード感を感じさせる動きで好状態でレースを迎えることができそうです。
・モズカッチャン
栗東坂路を単走での最終追い切りで、終始馬なりの手応えながらやや左右に馬体が流れる面を見せながらラストだけ強めに追われると4F54.9-12.8のタイムでのフィニッシュでした。調教の動きと実践がそれほど直結しないタイプだけにふらついた動き自体を心配する必要はなさそうで、この馬なりに順調に来ていると見ていいのではないでしょうか。
・ディアドラ
栗東坂路を単走での最終追い切りで、残り200mを切ってから強めに追われるとそこからまっすぐ伸びての4F53.1-12.6のタイムでのフィニッシュでした。クリンチャーの動きと比べるとやや地味に映る面はありますがタイム的にも及第点を与えられる内容で、余力のなかったエリザベス女王杯に比べれば十分に動ける状態にあるのではないでしょうか。
・クリンチャー
栗東坂路にて僚馬と2頭併せ馬での最終追い切りで、残り200mを切ったくらいから強めに仕掛けられるとグッと加速して併走相手を突き放し、最後は4F52.7-12.2のタイムで3馬身近く先着を果たしました。休み明けながら自己ベストタイムを叩き出しており、レースではズブい面を見せる馬ながら今回ラスト1F12.2の時計も優秀で、人気はそれほどなさそうですが調教の動きからは強めに推しておきたい1頭です。
《京都記念2018 追い切り後展望》
個人的にレイデオロの調教からは『真の一流馬の動きはこれだ!』といったような迫力を感じ、まさに本命馬としてのお手本のような調教だったと思います。特に無理なく外から並びかけて一気に抜け出した加速力は他馬にとって非常に脅威となりそうですね。また人気薄の中からはクリンチャーの自己ベストタイムを叩き出した素軽い動きにも驚きを受けました。菊花賞後に無理をしなかったことでの成長がいい方向に向いた印象で、人気薄の中では同馬を最上位に評価しておきたいと思います。
《京都記念2018 最終予想オッズ》
①人気 レイデオロ 1.9倍
②人気 モズカッチャン 3.5倍
③人気 アルアイン 5.3倍
④人気 クロコスミア 9.8倍
⑤人気 ディアドラ 10.7倍
⑥人気 クリンチャー 11.4倍
⑦人気 ミッキーロケット 14.2倍
⑧人気 プリメラアスール 279.4倍
⑨人気 ケントオー 388.2倍
⑩人気 アクションスター 849.8倍
《京都記念2018 展開予想》
少頭数の割にはこれまで先行して好走してきた馬が多く、各馬の動き次第では馬群がかなり縦長になることが予想されます。断トツの1番人気が予想されるレイデオロにとっては後ろの動きに注意しつつ前も捉えに行かなければならない難しい競馬になりそうで、この条件を覆して勝利するようであれば現役最強馬の座はさらに盤石のモノとなりそうですね。まず先手を奪うのはクロコスミアかプリメラアスールのどちらかでほぼ間違いないでしょう。前走のエリザベス女王杯では2番手からの競馬でも好走したことからクロコスミアが2番手に控える可能性もありますが、どちらも単騎で逃げた時に強い競馬をしているだけあって2頭の動き次第では平均ペースくらいまで流れる可能性もありそうですね。その後ろで先行集団しそうなのがレイデオロ、アルアイン、クリンチャーの4歳牡馬三銃士とモズカッチャンの4頭だと思います。この中でもある程度切れる脚も使えるレイデオロとアルアインに対して、どちらかというと長くいい脚を使うタイプのクリンチャーとモズカッチャンは早めに仕掛けてくることが考えられ、そうなった場合はさらに前掛かりの流れになって先行馬には厳しい展開になりそうです。そして後方から直線での差し切りを狙うのはディアドラとミッキーロケットでしょう。ミッキーロケットは前走の日経新春杯で57.5キロのハンデを背負って直線伸びきれませんでしたが、56キロで戦える今回はそれなりに切れる脚を使えそうだけに注意が必要ではないでしょうか。今年の京都記念ではおそらくほぼすべての馬が『レイデオロ包囲網』を敷いてくることが考えられますが、次走ドバイシーマクラシックでクラックスマン相手に好勝負するためにここでは余裕残しで圧勝するくらいの圧倒的強さを見せてほしいところですね。
《京都記念2018 最終1着予想》
レイデオロ(牡4)
前走:ジャパンカップ(GⅠ)2人気2着
父:キングカメハメハ
母父:シンボリクリスエス
あれこれ不安要素を探してみた結果、最終的に1着となる馬を1頭挙げるとなった場合はやはり同馬が最右翼の存在だと思います。ダービーを向こう正面から一気に2番手まで押し上げてそのまま押し切った勝ち方が『奇策』のような評価をされていることが多く、ダービー馬ながら休み明けで出走した神戸新聞杯で2.2倍と思いのほかオッズが付いたのがその証明と言えそうですが、道中一気に押し上げていきながらそこでもう一度息を入れることができる気性の素直さと従順さ、そして直線でもう一伸びしながら後続が迫ると差を詰めさせることなく粘り通す強靭な精神力は一流馬のみが持っている『才能』と断言してもいいのではないでしょうか。有力古馬が他に回ったこともあって今回の当面の相手は同じ4歳馬となりそうですが、前走のジャパンカップでシュヴァルグラン、キタサンブラックと互角以上のレースを演じた実力は有馬記念の結果を見ても同世代では明らかに抜けていると言っていいと追いもいます。キタサンブラックが引退してスターホース不在となっている今の競馬界において救世主的な存在となるためにも、ここは貫録の強さを見せてほしいところですね。