【京都金杯2019予想/出走予定馬分析】同世代でもトップクラスの切れを誇る末脚を武器に重賞初制覇を飾り、今年の飛躍を約束するのはアノ馬!?

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2019年1月5日(土) 京都競馬11レース

第57回 京都金杯(G3) 京都芝1600m

 

《京都金杯2019/レース展望》

 

マイル世代のトップクラスで走っているような馬はマイルチャンピオンシップや香港マイル、さらにはGⅡ戦では国内2位の賞金を誇る1400mの阪神カップに出走することが多く、どうしてもこの時期のハンデ戦であるGⅢに出てくるメンバーが一線級では少し厳しい馬の集まりになるのはしょうがない事実かもしれません。そのイメージを覆すべくクラシック戦線でも常に上位争いを演じ、菊花賞3着から同レースに出走した17年勝ち馬エアスピネルには大きな期待が掛けられましたが、その後同年の富士ステークス1着、マイルチャンピオンシップ2着の実績はあるものの、昨年未勝利に終わってしまったのはそれまでの実績を考えるとやはり物足りなく、同馬も近年の京都金杯勝ち馬が出世できないといった『ジンクス』に嵌ってしまったと言わざるを得ないかもしれませんね。昨年のマイル路線では安田記念を連闘で臨んだ9番人気モズアスコットが勝利し、秋のマイルチャンピオンシップも3歳馬ステルヴィオが勝利したことから、この路線はまだまだ群雄割拠の状態が続いていると言えそうだけに、久々に同レースからマイル路線の主役を張るような馬が誕生してほしいと思っていますが、果たしてどうなりますでしょうか。

 

その期待に応えるべく(?)、今年の出走予定馬の中には昨年末に各路線で圧倒的な存在感を見せつけてきた『明け4歳世代』の馬が6頭登録しています。その中でも秋華賞4着と既にGⅠでも実績を残しており今年はマイル路線で主役を狙うサラキアや、前走古馬相手のリゲルステークスを4馬身差で圧勝しGⅠNHKマイルカップでも僅差6着に好走したパクスアメリカーナなどはここで勝利すれば今年1年明るい未来が待っていると言えそうだけに、そのレース振りも含めて注目しておきたいところですね。

 

《京都金杯2019/予想オッズ》

 

①人気 パクスアメリカーナ  2.2倍

②人気 サラキア       3.7倍

③人気 カツジ        5.0倍

④人気 グァンチャーレ    7.2倍

⑤人気 ロードクエスト    10.0倍

 

《京都金杯2019/出走予定馬分析》

 

パクスアメリカーナ(牡4)

騎手:川田 調教師:中内田(栗東)

主な勝鞍:リゲルステークス(OP)

アーリントンカップ(GⅢ)2着

今年初戦のこぶし賞で後にNHKマイルカップを勝利するケイアイノーテックを完封して勝利すると、その後アーリントンカップ2着を挟んで迎えたNHKマイルカップでは直線で外からレッドヴェイロンに押し込まれてやや追い辛くなる面がありながらも最後までしぶとく脚を伸ばして6着に好走しました。その後7か月の休養を挟んで出走した前走のリゲルステークスでは最内枠スタートから直線上手く馬群を捌き、長くいい脚を使って2着を4馬身突き放す完勝で復帰戦を勝利で飾りました。稍重馬場で2勝を上げているのに加えて前走やや力のいる阪神コースで完勝したように非常にパワーのあるタイプで、冬場の少し時計の掛かる馬場状態は同馬にとって明らかに有利に働くのは間違いないでしょう。加速するまでにやや時間を要するタイプだけに下り坂で勢いを付けやすい京都外回りコースも追い風になりそうで、もし一雨降って馬場が渋るようであれば俄然評価を上げておきたい1頭ですね。

 

サラキア(牝4)

騎手:池添 調教師:池添学(栗東)

主な勝鞍:ローズステークス(GⅡ)2着

秋華賞(GⅠ)4着

春シーズンは出遅れ癖もあってチューリップ賞4着、フローラステークス4着とあと一歩クラシック本番への出走が叶いませんでしたが、夏の青島特別を強い競馬で完勝すると続くローズステークスでもスローペースの中ただ1頭後方から伸びての2着で秋華賞の優先出走権を獲得すると、本番でもやや出遅れはしたものの終始アーモンドアイより前目に位置して早めの仕掛けから最後までしぶとく脚を伸ばす好内容での4着でした。早めに動いた前走以外の全てのレースでメンバー中上位の上がりを計時しているように一瞬の切れる末脚が最大の武器で、中距離に比べて流れが速くなりやすいマイル戦に舞台が変わるのはプラスに働きそうな印象です。下り坂で加速しやすい京都外回りコースを得意とするディープインパクト産駒であるのも魅力で、小柄な馬だけに53キロで出走できるのも他馬が斤量を背負う分有利に働くのは間違いないでしょう。開幕週の馬場だけに出遅れ癖はマイナスですが、ここでまとめて差し切っても不思議ない1頭だと思います。

 

カツジ(牡4)

騎手:松山 調教師:池添兼(栗東)

主な勝鞍:ニュージーランドトロフィー(GⅡ)

マイルチャンピオンシップ(GⅠ)4着

デイリー杯2歳ステークス2着、きさらぎ賞5着は先行して好成績を残していましたが、スタートで行き脚が付かず後方からの競馬となったニュージーランドトロフィーでは直線一気で長くいい脚を使って差し切り重賞初制覇を飾りました。続くNHKマイルカップと復帰戦となった毎日王冠は出遅れや馬場状態もあって大敗しましたが、前走のマイルチャンピオンシップでは先行馬&内枠有利の馬場状態の中8枠16番から道中は内を通って距離ロスを抑え、直線も馬群を捌くように外に持ち出すとゴール前最速の上がりを使って16番人気ながら4着に好走しました。1600m以下ではNHKマイルカップを除いて全て掲示板内に好走しており、全兄ミッキーグローリーが同年の京成杯オータムハンデを勝利したことからも明らかでしょう。先行力もあり後方からでも切れる脚を使えるようにある程度自在性があるのも他馬と比較して有利と言えそうだけに、スムーズなレースさえできれば大崩れなく好走してくれるのではないでしょうか。

 

ロードクエスト(牡6)

騎手:福永 調教師:小島茂(美浦)

主な勝鞍:スワンステークス(GⅡ)

京成杯オータムハンデ(GⅢ)

新潟2歳ステークス(GⅢ)

2歳時に連勝で新潟2歳ステークスを制し、翌年もNHKマイルカップ2着、京成杯オータムハンデ勝利などマイル路線のトップクラスで活躍していましたが、その後長期休養などもあって4歳~5歳春までは重賞で掲示板に載れないスランプの時期が続いてしまいました。しかし、昨年夏のパラダイスステークスから先行する競馬を試みると徐々にレース内容が良化し、2走前のスワンステークスではM.デムーロ騎手の好騎乗があったのも事実ですが、安田記念勝ち馬モズアスコットを徹底マークして直線最速の上がりで差し切り約2年振りの重賞3勝目を挙げました。昨年夏くらいから先行力が身に付いてきたのはスローペースで流れることが多い今のマイル重賞においては有利で、前走も着順こそ悪いもののタイム的には0.9差しか負けてないだけに巻き返す可能性は十分あるでしょう。今回福永騎手とは初コンビとなりますがスタートの上手い騎手だけにプラスに働きそうなのは魅力で、得意の形にならないと脆い面があるのも事実ではありますが実績面だけ見れば断トツの存在だけに人気落ちの今回狙ってみても面白いかもしれませんね。

 

《出走予定馬分析から見る本命馬》

 

サラキア(牝4)

いかにもディープインパクト産駒らしい小柄なタイプの馬で、今回ハンデ戦ということで55キロ以上を背負わされるようであれば軽視する予定でしたが、53キロという想定外に軽いハンデを見て迷わず本命評価にしました。同馬のキャリアの中で見せた最も強いレースは小倉1700mで行われた青島特別で、スタートで出遅れたものの向こう正面で楽に押し上げると直線を向いて持ったまま一瞬で後続を突き放した瞬発力は間違いなく平坦向きのもので、坂の下りでスムーズに加速できる今回さらに持ち味が生きるのは確実でしょう。今回メンバーを見てもそれほど積極的に前に行く馬が多くなくスローな展開になるのも同馬にとっては追い風と言えそうで、乗り難しいタイプだけに昨年末の有馬記念を勝利し勢いに乗っている池添騎手が引き続き騎乗できるのも好材料と言っていいと思います。課題であるスタートも少しずつではありますが良化して成長が感じられるだけに、春のヴィクトリアマイルを目指してここは楽に通過してほしいところですね。