【小倉記念2018予想/過去データ分析】人気は譲っても結果は譲らない!?これまで強い相手と戦ってきた経験からここで貫録を見せるのはアノ馬!!

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2018年8月5日(日)

小倉競馬11レース

第53回 小倉記念(G3)

小倉芝2000m

 

先週の小倉開催は日曜日に台風12号の影響を大きく受けたこともあってメインレースの頃には馬場状態が稍重まで悪化し、1200mの勝ちタイムが1.08.6と開幕週にしては若干時計が掛かっていた印象でした。今週は晴れ予想が続いているだけにある程度回復するでしょうが例年と比べて荒れ馬場で開催した影響は多少残ってきそうなだけに、小倉記念の前に行われる芝レースの勝ちタイムはしっかりチェックしておきたいところですね。

 

《過去の小倉記念好走馬/チェックポイント》

 

① 小倉記念の特注血統である『トニービン』の血を持つ馬は人気に関わらず要注目!!

一瞬の末脚に特化したサンデーサイレンス系の中でも最もその能力と適性を強く受け継いだディープインパクト産駒が日本競馬を席巻している中で小倉記念においてもその影響は非常に大きく、近5年の馬券圏内に好走した15頭の内5頭がディープインパクト産駒で14年にサトノノブレス、16年にクランモンタナが勝利を上げています。ただ、違う視点で注目して見ると面白い傾向が浮かび上がってきており、上記に挙げた2頭は母父が『トニービン』となっており、昨年6人気3着に好走したフェルメッツァも同じくディープインパクト×トニービンといった血統構成になっているのは注目すべきポイントと言えるでしょう。元々小倉記念はトニービンの血を持つ馬が好走する確率が非常に高い重賞として有名で、近年だけ見ても13年3人気1着メイショウナルト(父ハーツクライ)、5人気2着ラブリーデイ(母母父トニービン)、14年3人気1着サトノノブレス(母父トニービン)、2人気3着メイショウナルト、16年11人気1着クランモンタナ(母父トニービン)、17年6人気3着フェルメッツァ(母父トニービン)とほぼ該当する馬がそれほど多くないにもかかわらず毎年のように好走馬を輩出しているため要注目と言えるでしょう。また、過去10年で見ても09年16人気1着ダンスアジョイ、10年9人気1着ニホンピロレガーロ、11年15人気2着キタサンアミーゴ、8人気3着リクエストソングと上記に挙げた馬は全て母父がトニービンで人気薄にも関わらずこれだけの好走率を誇ることから、出走予定馬の血統内においてトニービンの血を持つ馬は絶対に馬券圏内に入れておきたいところですね。

 

今年の出走予定馬の中で血統内にトニービンの血を持つ馬はサトノクロニクル(父ハーツクライ)ただ1頭となっており、過去5年で1勝2着3回と小倉記念において抜群の好走率を誇る池江厩舎所属馬ということもあって上位人気でもかなり好走率の高い存在と言ってもよさそうですね。

 

② 消耗戦になりやすく、『近2走以内に2200m以上の距離』を走っている馬が有利

小倉の芝2000mは直線が短いことに加えて向こう正面から3コーナーにかけて緩やかな下り坂となっており道中のペースがなかなか緩みにくいレースが多く、さらに各騎手が3コーナー過ぎから仕掛け始めることが多いため直線で上がりの掛かる展開になることが多々あります。当然そういったレースになると2000mがギリギリといったタイプにとってはスタミナ面に不安があることから直線で伸びを欠くことが多く見受けられ、過去の好走馬の中でも近走で2200m以上を使っているようなタイプが好成績を残しているのが小倉記念の特徴と言えます。過去5年において『近2走以内に2200mの距離を使っている馬』は13年に3人気1着メイショウナルト(2走前三田特別2200m)と5人気2着ラブリーデイ(前走日本ダービー2400m)がワンツー決着を決めており、14年3人気1着サトノノブレス(前走天皇賞・春3200m)、17年2人気2着サンマルティン(2走前尼崎ステークス2200m)とある程度スタミナの裏付けがあるようなタイプの馬が上位人気に推されているような場合は評価をアップしてもいいかもしれませんね。さらに上記に挙げた4頭は順にハーツクライ、キングカメハメハ、ディープインパクト、ハービンジャー産駒で全て『2200m以上のGⅠで勝利経験がある種牡馬であることから、血統的なスタミナの裏付けにも注目しておきたいところですね。

 

今年の出走予定馬の中で近2走以内に2200m以上の距離を使っているのは、ストロングタイタン(前走宝塚記念2200m)、サトノクロニクル(前走天皇賞・春3200m)、マウントゴールド(2走前烏丸ステークス2400m)の3頭となっており、その中でもサトノクロニクルハーツクライ産駒で3000mの阪神大賞典2着があるように血統面・実績面からもスタミナに関しては申し分ない存在と言えそうだけに、他の2頭と比べてもかなり有力な存在であるのは間違いないでしょう。

 

③ 過去最多の好走率を誇る『和田騎手騎乗馬』は人気薄でも要注意!

夏のローカル開催はリーディング上位騎手が新潟、札幌に分散しやすく、今年もリーディング上位騎手(7/31現在)の中でルメール、岩田騎手は札幌を、M.デムーロ、戸崎、福永騎手は新潟を主戦場としており、本来小倉を主戦としている川田騎手も海外遠征中であることから小倉競馬は重賞が行われる週以外は比較的リーディング中位~下位ジョッキーが中心となってレースが行われることが多いです。ただ、小回りの平坦コースだけにポジション争いなども含めて簡単なレースにならないことが多く、近年の小倉記念を勝利している騎手は全て夏の小倉を主戦としているジョッキーであるのは注目しておくべきポイントだと思います。その中でも特に好成績を残しているのが和田騎手で、過去10年において10年4人気2着バトルバニヤン、11年8人気3着リクエストソング、14年3人気1着サトノノブレス、15年3人気3着ウインプリメーラ、16年11人気1着クランモンタナ人気に関わらず【2・1・2・4】と抜群の好走実績を残しているのは小倉2000mの特徴を掴んでいることの証明以外何物でもないのではないでしょうか。特にスタートからゴールまでほとんど2000mの間追い通しでブービー人気だったクランモンタナを勝利に導いた16年のレースは必見の価値ありで、今年の宝塚記念で17年振りのGⅠ勝利を飾ってさらに円熟味を増した印象があるだけに、今年も要注目の存在になりそうですね。

 

今年の小倉記念で和田騎手が騎乗予定なのは前走七夕賞で2着に好走したマイネルサージュで、どちらかと言えば切れるよりは長くいい脚を使える『騎手に追わせる』タイプの馬だけに和田騎手との相性もよさそうだけに個人的に高評価しておきたいと思います。

 

《過去データ分析から見る本命馬》

 

サトノクロニクル(牡4)

前走の天皇賞・春ではペースが落ち着いた2週目の向こう正面で一気にポジションを上げていきましたが、そこからスタミナ面で勝る上位馬たちが早め早めの動き出しを見せたことで本質的には中距離馬である同馬にとってはスタミナ面で厳しいレースとなり、直線で失速して12着に大敗したのはやむを得ない結果と言って問題ないでしょう。2000m戦においては昨年のチャレンジカップにおいて3歳馬ながら古馬相手に勝利を飾っており、1800~2200mにおいて【3・2・1・1】というほぼパーフェクトな成績から得意の中距離に戻れば巻き返しは必至ではないでしょうか。血統内にトニービンの血を持っているのは同馬だけで他馬と比べて血統的な後押しが大きいのは大きな魅力で、近年の小倉記念で抜群の好成績を残しており今回3頭出しの予定である池江厩舎の中でも能力・実績共に最上位の存在であるのは間違いないと思います。今回M.デムーロ騎手が主戦馬の新潟から小倉まで遠征してくるのも同馬に勝算を感じている証拠と言ってもよさそうで、強気強気の競馬さえできれば十分勝ち負けできるだけの1頭ではないでしょうか。