【日経新春杯2019予想/追い切り後分析】混戦の国内長距離路線において、変幻自在のポジショニングと安定感ある末脚で重賞初制覇を飾るのはアノ馬!?

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2019年1月16日(日)

京都競馬11レース

第66回 日経新春杯(G2)

京都芝1600m

 

《日経新春杯2019/追い切り後展望》

 

雪の影響で馬場状態がかなり悪化し、追い切りの日程を延期する陣営も多い中で近走の充実を証明するような意欲的な追い切りを見せたのがムイトオブリガードです。栗東Cウッドコースにおいて僚馬と3頭併せ馬での最終追い切りで、前を行く2頭を見ながらしっかり折り合いの付いた走りで3コーナー過ぎから徐々に加速すると直線に入って最内に進路を取り、一杯に追われる僚馬相手に楽な手応えで並びかけると仕掛けられてグイっと一伸びして相手を交わし、ラストは6F80.3-12.1のタイムで悠々先着を果たしました。雨を含んでかなり重たくなった馬場状態を加味すれば時計面も及第点以上の内容で高評価でき、前を行く馬を積極的に追いかけてゴール直前までしっかり負荷をかける陣営の意識が読み取れる意欲的な調教だったのも同馬の充実度を証明しているのではないでしょうか。まだ単走での追いきりだと全くと言っていいほど動かないように精神的な幼さが残るのは事実ですが、その分大事に使われてきたこともあって伸びしろを残していると見ることもできそうで、前走から引き続き好調を維持している今回も好勝負が期待できるでしょう。逆に、今回評価が難しかったのがリラックスした走りを見せながらも時計面で協調できる面の少なかったメイショウテッコンの追い切りです。同じく栗東Cウッドコースにて単走での最終追い切りで、周囲に馬がいない状況の中で前半かなりゆっくりした感じの走りでしたが、直線を向いてラスト1F気合いを付けられるとグッと馬体が沈んで一気に加速すると、ラストは4F55.0-12.5のタイムで余裕十分と言った感じでのフィニッシュでした。全体時計が遅いのは単走で周りに馬がいなかった影響があっただけにそれほど気にする必要はなさそうですが、気合い面で考えるとやや物足りなく映る面があるのもまた事実で、前走の菊花賞から多少間隔が開いてもう一追い欲しいのが正直なところかもしれません。長距離戦を走る上で全くと言っていいほど気性面の心配がないのはプラスと言えそうですが、今回武豊騎手に乗り替わって上位人気確実であることを考えても最終的な評価はパドックと馬体重発表を見て判断したいところですね。

 

《日経新春杯2019/最終予想オッズ》

 

①人気 グローリーヴェイズ  2.7倍

②人気 ムイトオブリガード  3.8倍

③人気 メイショウテッコン  4.1倍

④人気 アフリカンゴールド  7.5倍

⑤人気 ルックトゥワイス   12.7倍

 

《日経新春杯2019/展開予想》

 

今回芝の長距離重賞にしては珍しく重賞で逃げて好走経験のある馬や近走逃げて勝ち上がってきた馬が非常に多いメンバー構成となっており、どの馬が逃げるのかを予想するだけでもなかなか難しいのが正直なところです。逃げる可能性がある馬を上げれば、ガンコ、ウインテンダネス、メイショウテッコン、ロードヴァンドール、アイトーンの5頭のどれかになりそうですが、この中でもガンコ、メイショウテッコン、ロードヴァンドールあたりは控える競馬でも好走経験があり、もし他の先行馬が先手を主張してくるようであれば控える可能性が高いだけに、ウインテンダネスアイトーンのどちらかが逃げるのではないでしょうか。この両馬であれば京都大賞典、アルゼンチン共和国杯は持ち味を生かせない逃げとなってしまい、前走は枠順に加えて高速馬場も影響して逃げることができなかったウインテンダネスが前に行くでしょう。どちらにしてもこれだけ逃げ馬が揃っただけに、ある程度淀みないペースでレースが流れる可能性が高そうな印象です。それらの逃げを見ながら前々で先行集団を形成するのは、上記で上げたガンコ、メイショウテッコン、ロードヴァンドールの他にはノーブルマーズ、アフリカンゴールド、サラスといったところでしょうか。どの馬も苦手とするスローペースからの瞬発力勝負は避けたいでしょうからある程度早め早めの仕掛けになってくるでしょうが、この中でペースのカギを握っているとすれば武豊騎手が騎乗するメイショウテッコンと横山典騎手が騎乗するロードヴァンドールでしょうか。共に2400m以上の長距離戦でこれまで多くのタイトルを勝ち取ってきた『名手』だけにペース判断を間違える可能性は極めて低く、自らが騎乗する馬が長くいい脚を使うといった特徴も分かっているだけに要注目ですが、個人的には前走のチャレンジカップで逃げ馬ながら最後方からお得意の『ポツン騎乗』を見せた横山典騎手の騎乗が今回への『布石』であると信じてロードヴァンドールの方を上位に取りたいと思います。そして中団から後方で脚を溜め展開利を武器に差し切りを狙うのが、ムイトオブリガード、グローリーヴェイズ、ルックトゥワイス、シュペルミエール、エーティーサンダーといった面々になりそうです。この中では2600mでも勝利経験がありスタミナ勝負に全く不安のないムイトオブリガードはどんな展開になっても自在にポジションを取ることができる自在性も含めて大崩れなく走ってきそうですが、これまで2000mまでしか勝利経験がなく前走菊花賞5着もスローペースで流れた恩恵もあったグローリーヴェイズの方はまだスタミナ面で課題を残すのもまた事実であるため、もし先行馬が淀みない流れで引っ張った結果スタミナを問われるような流れと想定する場合、個人的にはやや評価を下げざるを得ない1頭ですね。

 

《最終予想》

 

ムイトオブリガード

今回先行馬が多く展開によっては乱ペースになることが考えられる中で、どんなペースになっても安定して直線伸びてくる可能性が一番高い馬を考えた場合、これまで見せてきた自在性とどのポジションからでも確実に伸びてくる末脚を評価した上で同馬を本命にしたいと思います。それまでダートの中距離戦で勝ち切れない成績が続いたことで昨年から芝の長距離戦線に路線変更しましたが、格上挑戦に加えてさすがに相手が強かった阪神大賞典以外は全てメンバー中上位の上がりを計時しており、先行する競馬でも確実に終い脚を使えているのは高評価すべきポイントだと思います。さらに逃げ・先行・差しと様々なレースを経験していることからペースに合わせてポジションを決めることができるのも他馬と比べて非常に有利で、前走のアルゼンチン共和国杯では超スローペースの中後方からの競馬を余儀なくされましたが、それでもメンバー中最速の上がり3F32.5の末脚を使ったのは同馬の成長と翌年に向けて同時に大きな収穫だったのではないでしょうか。これまで8人の騎手が騎乗しているにもかかわらず掲示板外に凡走したのが2回のみと非常に鞍上に対して従順なタイプだけに今回川田騎手との初コンビも問題なさそうで、今年の天皇賞・春に向けてここで重賞初制覇を期待したいところですね。