【葵ステークス2019予想/出走予定馬分析】近年の『ゆとりローテ』に逆行するように、使われつつ確実に強化された地力を武器にここで重賞初制覇を飾るのはアノ馬!?

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2019年5月25日(土)

京都競馬11レース

第2回 葵ステークス(重賞)

京都芝1200m

 

《葵ステークス2019/レース展望》

昨年オープン特別から重賞レースに昇格して今年度が2回目となる葵ステークスですが、昨年9人気1着ゴールドクイーンがダートに転向した今年のギャラクシーカップ→かきつばた記念(Jpn3)を連勝し、6人気2着同着ラブカンプーがその後3歳馬ながら古馬相手にアイビスサマーダッシュ、セントウルステークス、そしてG1スプリンターズステークスで2着に好走したように、歴史はまだ浅いもののダートも含めた今後の短距離路線を占う上で重要なレースになる可能性は十分にあるでしょう。さらに現在と同じ条件で行われていたオープン特別時代にも10年2人気2着カレンチャン、11年1人気1着ロードカナロアといった2頭のスプリントG1馬だけでなく、13年1人気1着ティーハーフ、16年4人気1着ナックビーナスなど後にスプリント重賞を制した馬を輩出している実績からも『出世レース』の一つであるのは疑いようのない事実で、近年は特に距離別による各路線の住み分けが目立つローテーションが多くなっていることからも、3歳春の早い段階で短距離路線に舵を切った馬は後の古馬との対戦においても軽視しないほうがいいのかもしれませんね。また、同レースの大きな特徴の一つとしてオープン特別時代も含めて『牝馬』が抜群の好成績を残しているのは覚えておきたいポイントで、6月を前にして気温が一気に上昇してくるこの時期は基本的に暑さに弱いサラブレッドの本質が最も表れやすいだけに、古くから言われている『夏は牝馬』の格言と共に熱いオンナの戦いを目に焼き付けておきたいと思います(笑)。

 

《葵ステークス2019/予想オッズ》

 

①人気 アウィルアウェイ  3.1倍

②人気 ディアンドル    4.2倍

③人気 ディープダイバー  5.1倍

④人気 ココフィーユ    11.0倍

⑤人気 アスターペガサス  12.8倍

 

《葵ステークス2019/出走予定馬分析》

 

ディアンドル(牝3)

騎手:藤岡佑 調教師:奥村(栗東)

主な勝鞍:マーガレットステークス(OP)

クリスマスローズステークス(OP)

カンナステークス(OP)

新馬戦こそ後の重賞2勝馬ファンタジスト相手にクビ差届かず取りこぼしたものの、次走の未勝利戦をほぼ持ったままで楽勝するとその後もカンナステークス→クリスマスローズステークスと余裕十分に3連勝を飾り、前走のマーガレットステークスは6頭立ての少頭数に加えて相手関係が非常に軽かったのも事実ですが、遅い流れにも掛かる面を見せることなく追走すると直線並ぶ間もなく差し切る完勝で4連勝を達成しました。これまでの5戦で全て別の騎手が騎乗しながらも全く折り合い面に不安のない大人びた気性面と操縦性の高さは大きな武器で、これまでの連勝がオープン特別ばかりでまだトップクラスの相手と未対戦であるのは事実ですが【キッチリ勝ち切っている点】に関しては高評価する必要があると思います。好スタートから楽に先手を奪える安定した先行力に加えて、逃げる競馬だけでなく近2走は控える競馬でも結果を残しているのは同馬の高い地力の証明と言ってよさそうで、初挑戦となる重賞の舞台でも道中大きな不利さえなければ間違いなく好勝負してくれるのではないでしょうか。

 

アウィルアウェイ(牝3)

騎手:川田 調教師:高野(栗東)

主な勝鞍:京王杯2歳ステークス(G2)2着

ダリア賞(OP)

2歳6月の早いデビューから新馬戦→ダリア賞を強い内容で連勝し、小倉2歳ステークス勝ち馬ファンタジストがいながら1番人気に支持された京王杯2歳ステークスでは8頭立ての少頭数に加えて前半3F38.0という超スローペースで後方追走となる苦しい展開でしたが、直線メンバー中唯一32秒台の末脚を使ってファンタジストをハナ差まで追い詰める『負けて強し』の内容で地力の高さを証明しました。近2走は7、10着と凡走が続いていますが、フィリーズレビューでは淀みない流れを2番手追走となりながら勝ち馬とは0.3差、前走の桜花賞は相手関係に加えて1600mの距離も長く度外視していい内容だと思います。これまでのレースを見る限り今回デビュー戦以来となる1200mへの距離短縮はプラスに働く可能性が高く、道中後方で脚を溜めれば確実に脚を使えるタイプだけに今回先行馬が多く揃って前が速くなりそうな展開面も有利と言えそうです。その反面、これまでの好走が比較的前半ゆっくり流れたレースに集中しており速いペースに不安を残すのも事実で、今後の路線を占う上でもここは試金石の1戦となりそうですね。

 

ローゼンクリーガー(牝3)

騎手:未定 調教師:高橋亮(栗東)

主な勝鞍:ファルコンステークス(G3)3着

秋明菊賞(500万)

新馬戦を完勝した後に挑んだダリア賞とりんどう賞では後に重賞連対実績のあるアウィルアウェイ、プールヴィルといった強敵相手に2着惜敗が続きましたが、続く秋明菊賞では3番手追走から直線ディープダイバーとの激しい叩き合いを制して2勝目を上げました。阪神ジュベナイルフィリーズでは使い詰めのローテーションに加えて1600mの距離が長かったこともあって12着に大敗しましたが、前走のファルコンステークスでは二の脚速く好位のインを追走して道中後方にいた馬が掲示板を独占する中先行勢では唯一粘る強い内容で3着に好走し、重賞級の能力を自らの走りで証明しました。逃げ差し自在の脚質に加えて直線で確実に長くいい脚が使えるのが最大の武器で、デビュー戦でも証明したように今回のメンバーの中でもハイペース適性に関してはトップクラスのものがあると思います。今回1200mが初出走で道中の流れに戸惑う可能性はあるものの、ノヴェリスト×フジキセキといった短距離適性の非常に高そうな血統面も含めて好走が期待できる1頭なのは間違いないでしょう。

 

ディープダイバー(牡3)

騎手:藤岡康 調教師:大久保龍(栗東)

主な勝鞍:橘ステークス(OP)

朝日杯フューチュリティステークス(G1)5着

初勝利を上げるまでに4戦を要したものの、その後も朝日杯フューチュリティステークス5着を含めて強敵相手に安定した成績を残し、デビュー以来初の1200m戦となった2走前の500万平場戦では終始絶好の手応えで好位のインから直線内ラチ沿いの狭いところを反応よく一気に抜け出す完勝で2勝目を上げました。さらに前走のマーガレットステークスでは道中中団馬群でしっかり折り合って直線馬群を縫うように鋭く伸びると、完全に抜け出していたジュランビルをゴール前キッチリ捉える完勝で連勝を飾りました。今回のメンバー中最多となる11戦のキャリアを経験しているのはどんな展開でも対応できるといった意味でも大きな武器となり、これまでG1も含めて掲示板を外していない安定感も高評価すべきポイントと言えるでしょう。その反面、弱い相手にも取りこぼすレースが多く相手なりの面があるのも確かですが、馬群を全く苦にしない勝負根性は多頭数の今回間違いなくプラスに働きそうで、人気次第では頭から狙ってみても面白いかもしれませんね。

 

《葵ステークス2019》

《出走予定馬分析から見る本命馬》

 

【◎ディープダイバー】

同馬が勝利を上げた3戦のレースに共通するのが直線で追い出されてからゴールまで非常に長くいい脚を使っている点で、前半の流れが速くなりやすい1200m戦において追って確実に伸びる末脚は間違いなく大きな武器となり、これまで積んできたキャリアの中でどんなペースになっても対応できるような経験を積んできたのは他馬と比べて有利であるのは間違いないでしょう。これまで阪神コースでの好走が多いだけにそれほど目立ってはいませんが、京都コースでも全て1400m戦ではありますが【1・2・0・0】と非常に安定しているのは高評価してよさそうで、これだけキャリアを重ねながらも大幅な馬体重の変動がそれほど見られないのも同馬の体質面が強い証拠と言えそうで、デビューから順調に馬体重が増えているのも好材料と言っていいでしょう。今回断然人気に推されるであろうディアンドルを見ながらレースをすることができる展開面での恩恵も大きいものがありそうで、直線までスムーズに運ぶことができれば差し切るだけの力はあると信じて本命評価にしたいと思います。