【金鯱賞2018】予想オッズ/レース展望/出走予定馬分析/1着予想/注目は『2強対決』ではなく、タップダンスシチー以来となる『金鯱賞3連覇』に挑戦するアノ馬!?

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2018年3月11日(日) 中京競馬11レース

第54回 金鯱賞(GⅡ) 中京芝2000m

 

《金鯱賞2018レース展望》

 

16年まで12月の中京開催で行われていたこともあって16年勝ち馬ヤマカツエースが翌年3月行われた金鯱賞で『変則連覇』を達成した印象が非常に強い同レースですが、個人的には14~16年の3年連続で馬券圏内に好走したサトノノブレス(14年2着、15年3着、16年3着同着)も凱旋門賞の『ラビット役』として帯同したことも含めて強く印象に残っている1頭です。さらに過去には98年に後続を1.8秒も突き放す圧倒的な逃げ切りで今でも多くの人々の記憶に残っているサイレンススズカや03~05年に金鯱賞3連覇を達成したタップダンスシチー、さらには11年に不良馬場で大出遅れを喫しながら一気のマクリで勝利したルーラーシップなど『記録』より『記憶』に強く残る馬を次々に輩出しているレースとして多くの人の中にも強い印象を与えているレースと言えそうです。

 

昨年大阪杯がGⅠに格上げされ、金鯱賞勝ち馬ヤマカツエースが3着に好走したことから今まで以上に大阪杯に向けてのステップレースの意味合いが強くなりそうですが、今年も昨年までキタサンブラックと並んで古馬の大将格であったサトノダイヤモンドに有馬記念で3歳馬ながら4着と好走し明け4歳の飛躍を期待される大器スワーヴリチャードが出走を表明し、例年以上に注目度の高いレースとなりそうな印象です。もちろんこの2頭の初対決は非常にワクワクしますが、個人的には牝馬ながらこれまで古馬王道路線の重賞に果敢に挑戦し続けたデニムアンドルビーの引退レースになる可能性が高いのも大きな注目ポイントで、3歳時に同じ左回りのジャパンカップで歴史的名牝ジェンティルドンナをハナ差まで追い詰めた末脚がここで爆発すれば同馬にとって感動的なラストランになる可能性もあり、注目してみたいと思います。

 

《金鯱賞2018予想オッズ》

 

①人気 スワーヴリチャード  1.9倍

②人気 サトノダイヤモンド  2.9倍

③人気 ヤマカツエース    6.7倍

④人気 メートルダール    9.3倍

⑤人気 トリオンフ      10.1倍

⑥人気 ブレスジャーニー   18.6倍

⑦人気 ダッシングブレイズ  39.1倍

⑧人気 デニムアンドルビー  40.0倍

⑨人気 サトノノブレス    91.3倍

⑩人気 キンショーユキヒメ  112.8倍

 

《金鯱賞2018出走予定馬分析》

 

① サトノダイヤモンド(牡5)

騎手:ルメール 調教師:池江(栗東)

主な勝鞍:有馬記念(GⅠ)

菊花賞(GⅠ)

阪神大賞典(GⅡ)

阪神大賞典で貫録の勝利を見せてキタサンブラックとの頂上決戦に臨んだ天皇賞・春では距離適性の差か有馬記念の雪辱を許す3着完敗でしたが、予定通り宝塚記念を回避して欧州遠征を敢行しました。しかし前哨戦で断然の1番人気に支持されながら4着に完敗すると、本番の凱旋門賞でも18頭立ての15着と全く勝負にならず失意のうちに帰国すると同時に4歳の充実期はGⅡ1勝のみという不本意なシーズンとなってしまいました。今回は海外遠征帰りということもあって仕上がり状態が大きなカギを握ることになりそうですが、元々が叩き良化型だけに能力・実績共に今回のメンバーの中でも断然なのは間違いないですが過度な期待は禁物かもしれません。中京コース自体も初となりますが左回りの日本ダービーで2着しており対応は十分可能で、春の大目標である大阪杯を前に今回は自力の高さに期待してどこまでといったところでしょうか。

 

② スワーヴリチャード(牡4)

騎手:デムーロ 調教師:庄野(栗東)

主な勝鞍:アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

共同通信杯(GⅢ)

皐月賞では追い込み届かず6着も3番人気に支持されて迎えた日本ダービーでは正攻法のレースで100%完璧なレースを見せたものの、向こう正面で早めに2番手まで押し上げたレイデオロを最後まで捉えきれずの2着惜敗でしたが世代トップクラスの能力は十二分に証明しました。その後休み明けで古馬との初対戦だったアルゼンチン共和国杯を完勝して臨んだ有馬記念では外枠スタートの不利に加えて右回りでヨレる面を見せてしまい、シュヴァルグランサクラアンプルールの進路を妨害する形での4着完敗でした。中京は初コースとなりますが同じ左回りの東京コースで連対率100%の実績からコース適性は十分あると考えていいでしょう。有馬記念以来の休み明けとなりますが約5か月ぶりのアルゼンチン共和国杯を完勝しているようにいきなりでも動けるタイプで、今回の強敵であるサトノダイヤモンドが海外遠征帰りで順調度の面で有利であることからも、前走から条件的に好転しそうな今回はアッサリの勝利があっても全く不思議ないと思います。

 

③ ヤマカツエース(牡6)

騎手:池添 調教師:池添兼(栗東)

主な勝鞍:金鯱賞(16、17)(GⅡ)

中山金杯(GⅢ)

福島記念(GⅢ)

昨年(17年)の金鯱賞ではメンバー中唯一57キロを背負っての競馬となりましたが、逃げたロードヴァンドールが2着に残るスローペースを中団で悠然と構え、直線馬場の真ん中を通って余裕十分に抜け出すと2~7着までが0.1差にひしめき合う大混戦の2着争いを尻目に1馬身1/4差抜け出すレベルの違いを見せつけて連覇を飾りました。続くGⅠ大阪杯でもキタサンブラックステファノスに次ぐ3着に好走しましたが、秋シーズンは古馬の王道GⅠを3戦するも11、8、10着に終わりやや精彩を欠いた内容となってしまいました。中京コースは重賞のみの3戦で金鯱賞連覇を含む2勝3着1回で複勝率100%と大得意コースで、2000mの距離も4勝を挙げているように同馬にとってはベストの距離と言えそうです。気温が低い秋~冬シーズンに好走が多い『冬馬』でもあり季節的にも向いているのは間違いなく、他馬がGⅠへの叩き台で臨んでくる今回コース適性におけるアドバンテージを最大限活かせればタップダンスシチー以来の金鯱賞3連覇達成も十分あり得るのではないでしょうか。

 

④ トリオンフ(セ4)

騎手: 調教師:須貝(栗東)

主な勝鞍:小倉大賞典(GⅢ)

3歳春の時点で去勢されてセン馬になった近年にしては珍しいタイプの同馬ですが、その去勢による気性面の改善効果が抜群だったことを証明するように3歳夏の復帰後は全て掲示板内に好走しており、昨秋の1000万~1600万条件戦の連勝は先行して直線早め先頭から後続を一方的に突き放す非常にインパクトの強い内容でした。そして前走の小倉大賞典では昇級戦での重賞ながら1番人気に支持されると、ここでも先行馬が軒並み下位に沈む淀みない流れを先行集団から早めに仕掛けて動き、直線に入ってすぐ先頭に立つとそのまま後続を寄せ付けずに3連勝で重賞初制覇を飾りました。今回は初めて当たる骨っぽい相手関係に加えて初の左回りで初の中京コースと克服すべき課題も多いですが、勢いの面ではメンバー中随一の存在で4歳馬だけにこれからの上積み面でも十分期待できそうです。2000mの距離も2戦2勝で相性が良く、ここでサトノダイヤモンドスワーヴリチャード相手に好走できるようであれば一躍大阪杯の主役候補に躍り出る可能性も否定できず、個人的に今年の中距離路線で要注目の1頭です。

 

《レース展望から見る今年の金鯱賞を勝つのはこの馬!!》

 

ヤマカツエース(牡6)

前走:有馬記念(GⅠ)6人気10着

父:キングカメハメハ

母父:グラスワンダー

昨年の秋GⅠ3連戦は全て掲示板外に敗れてしまいましたが、天皇賞・秋に関しては歴史的な不良馬場の影響が、ジャパンカップと有馬記念に関しては正直距離が長すぎたのが最大の敗因だと思います。16年の有馬記念では4着に好走していますが、道中スローペースの中終始後方のインで脚を溜めた16年に対して昨年は積極的に好位のインに付けて勝負に行った結果失速したもので、ある意味この馬のベスト距離が2000m前後であることを間接的に証明したレースであるのは間違いないでしょう。中京2000mに対するコース適性が今回のメンバーの中でも一番であるのはこれまでの実績からも明らかで、近走は中団からの競馬が多かったですが前走見せたように先行する競馬もできる自在性も有力馬2頭が後方から競馬をするタイプだけに有利に働くと思います。サトノダイヤモンドスワーヴリチャードの大目標が次走の大阪杯であるのに対して『金鯱賞3連覇』というこれ以上ないモチベーションの高い目標がある同馬にとってこのレースに賭ける本気度が違うのは明らかで、強敵相手でも貫録の勝利を見せてくれることに期待したいと思います。