【鳴尾記念2019予想/追い切り後分析】他馬が目標とする宝塚記念には目もくれず、このレースへの『本気度』の違いを勝利という最高の結果で証明するのはアノ馬!?

f:id:jikuuma:20190601060207j:plain

 

 

2019年6月1日(土)

阪神競馬11レース

第72回 鳴尾記念(G3)

阪神芝2000m

 

《鳴尾記念2019/追い切り後展望》

 

まず最初に挙げておきたいのが3連勝で前走新潟大賞典を制して充実期であるのを証明するような動きを披露したメールドグラースです。栗東Cウッドコースにおいて単走での追い切りではあったものの前に安田記念出走予定のダノンプレミアムを見ながらの変則的な併せ馬のような形になり、終始馬なりで道中の反応をチェックすることに重点を置いた追い切りながら直線を向いてゴーサインが出されると反応よく一気に加速し、ラストは5F73.2-12.2のタイムでのフィニッシュでした。1週前追い切りでは併せ馬で好タイムを叩き出していることから好調をキープしているのは間違いなく、直線を向いてからの反応の良さとこれまでの成績を見ても分かるようにブリンカーを着用してから集中力が増したのも好材料だと思います。これまで良馬場で【5・2・4・0】と好成績を残しているのに対して稍重以下だと【0・0・1・3】と明確に成績の違いが出ていることから【週末の雨による馬場悪化】はやや気掛かりなポイントであるものの、鞍上の勢いも含めて要注目の1頭であるのは間違いないでしょう。もう1頭、展開のカギを握るといった意味でも穴馬の中から挙げておきたいのがブラックスピネルの最終追い切りです。栗東坂路コースにおいて同じく安田記念に出走予定の僚馬インディチャンプと2頭併せ馬での最終追い切りで、直線では激しくムチが飛ぶ十分に負荷を掛けられた内容で最後まで必死に併走相手に食い下がり、最後はインディチャンプに交わされたものの最後は4F52.4-12.8のタイムでのフィニッシュでした。併せ馬で後れを取ったもののインディチャンプがお釣りのない仕上げで動きすぎた面があるのも事実で、雨で重くなった馬場状態を考えれば十分及第点以上のタイムをマークしていることからも年明け5戦目となりますが好状態をキープしていると見て問題ないと思います。三浦騎手が騎乗するようになってからダート戦だった4走前を除けば重賞でもそれほど大きく負けておらず、3走前から着用しているブリンカーの効果も十分期待できる今回はタニノフランケルとの先行争い次第では十分残り目のある1頭として期待しておきたいと思います。

 

《鳴尾記念2019/最終予想オッズ》

 

①人気 ステイフーリッシュ  3.2倍

②人気 ギベオン       3.4倍

③人気 メールドグラース   3.5倍

④人気 タニノフランケル   4.1倍

⑤人気 ノーブルマーズ    13.7倍

 

《鳴尾記念2019/展開予想》

 

今回9頭立てと少頭数のメンバー構成になったことに加えて比較的各馬の脚質がハッキリしていることから展開予想がしやすい印象の鳴尾記念ですが、ハナを切る可能性が高いのはタニノフランケル、ブラックスピネルのどちらかでほぼ間違いないと思います。個人的にはスタートセンスが抜群の武豊騎手が騎乗するタニノフランケルの方が前に行く可能性が高いと見ていますが、大型馬で非常に跳びが大きいことで逃げ馬にしてはそれほどスタート後の二の脚が速くない面があるのも事実で、枠順の並びやスタート次第で三浦騎手に乗り替わって以降安定感の増しているブラックスピネルが逃げる可能性も十分ありそうだけに、どちらが逃げるにしても展開面での恩恵が大きいのは間違いなくこの2頭は高評価しておくべき存在であるのは間違いないでしょう。そして比較的前々の位置で先行集団を形成するのは、ステイフーリッシュ、ギベオン、ノーブルマーズ、プラチナムバレットといったところでしょうか。この中では先行する競馬でも控える競馬でも結果を残しているステイフーリッシュ、ギベオンの2頭が実績面・自在性の面でも抜けている印象ですが、今回のレースだけに注目すればここが今年4戦目となり前走G1で強い相手に消耗度の高いレースを経験したステイフーリッシュよりも、ここが年明け3戦目であることに加えて前走57.5キロのハンデから別定戦で56キロに戻る斤量減、さらには前走1600mの速い流れを経験したことでスムーズに先行できそうな展開利を含めてギベオンの方が上積みが大きいのは一目瞭然だと思います。共に社台ファーム生産馬で社台レースホースを馬主に持つだけに互いを意識しての共倒れはなさそうですが、人気面を考えると馬券を買う上でどちらかに絞るのであればギベオンの方を上位に取りたいところですね。そして中団から後方で脚を溜めて直線での差し切りを狙うのが、メールドグラース、サンデーウィザード、ブラックバゴと言った面々になりそうです。これまで負けたレースも含めてキャリア15戦中13戦でメンバー中3位以内の末脚を使っており終いの脚では最上位の存在であるメールドグラースですが、別定戦でも全馬56キロで斤量差のない今回のメンバーであれば十分好勝負は可能だと思います。さらに上位人気馬が軒並み先行する馬であることから有力馬を前に見ながらレースができる展開面も非常に大きいものがありそうで、鞍上も引き続きレーン騎手であれば素直に高評価しておくべきと言えそうですね。個人的には今回全く人気がなさそうですが、2走前は2年近くの長期休養明けに加えてダート戦、前走は2走ボケに加えて先行して展開が向かなかったように明確な敗因があり、17年新潟大賞典を勝利しているように能力が通用することは証明済みのサンデーウィザードを大穴候補として挙げておきたいと思います。

 

《最終予想》

 

【◎ギベオン】

前走のダービー卿チャレンジトロフィーでは久々のマイル戦であったことに加えて前半3F33.9のハイペースを先行したことが影響してか4コーナー手前から手が動く厳しい展開となりましたが、57.5キロのトップハンデを背負いながら直線大きく失速せずジリジリ脚を伸ばして勝ち馬から0.3差5着にまとめたのは同馬の高い地力の証明と言って問題ないと思います。今回2000mへの距離延長に加えて少頭数でスローペースになる可能性が高く追走面で楽になるのは先行脚質であることを考えても間違いなく有利で、関西馬なのに関東圏のレースへの出走数の方が多い不思議な馬ですが関西圏のレースにおいては連対を外してないように輸送の不安が少ない地元阪神コースで戦えるのも大きな追い風となるのではないでしょうか。これまでまだキャリア8戦と大事に使われてきたこともあって上積みと言った面でも十分期待ができそうで、何よりも藤原厩舎がG1レースには目もくれず同レースを狙いすました綿密なローテーションを組んでいることから体調面の心配も全くなさそうだけに、開幕週の高速馬場におけるディープインパクト産駒の血統的な後押しにも期待した上でここは素直に本命評価にしたいと思います。