【きさらぎ賞2019予想/出走予定馬分析】しぶとい二の脚と並んでもう一伸びする勝負根性を武器に、派手さはないものの力強い走りで重賞初制覇を飾るのはアノ馬!?

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2019年2月3日(日)

京都競馬11レース

第59回 きさらぎ賞(G3)

京都芝1800m

 

《きさらぎ賞2019/レース展望》

 

かつてはスペシャルウィークナリタトップロード、ネオユニヴァース、アサクサキングスなど後にクラシックレースを勝利する馬が初重賞制覇を飾る『登竜門』的存在のレースでしたが、09年以降は菊花賞で3着に好走し古馬になってマイルチャンピオンシップを制した11年勝ち馬トーセンラーこそいたものの、その後しばらくはクラシックで活躍する馬がなかなか現れない時期が続きました。さらに近年は翌週に行われる共同通信杯の勝ち馬が次々とGⅠを勝利しているように『出世レース』のお株を完全に奪われていた印象でしたが、15年勝ち馬ルージュバックがオークスで2着し牡馬混合重賞4勝を挙げる活躍を見せると、翌年16年勝ち馬サトノダイヤモンドが菊花賞→有馬記念と連勝して再びレースの存在価値を高めてくれたこともあって、クラシックに向けては以前と変わらず注目度の高いレースであると言えるでしょう。また、負けた馬の中からも08年5人気2着スマイルジャックが後に日本ダービー12人気2着の大激走を見せると、本格化前ではあったもののレースを使いつつ成長を見せていた11年2人気3着オルフェーヴルが次走スプリングSを制して一気に本格化すると、牡馬三冠に加えて凱旋門賞でも2年連続で2着して世界的名馬へと上り詰めたように、ここでの走りで光る素質を見せたような好走馬は長い目で注目しておきたいところです。昨年2人気2着グローリーヴェイズも今年の日経新春杯を勝利して『強い4歳世代』の1頭としてGⅠ戦線での飛躍を期待させるだけに、1着サトノフェイバーや3着ラセットなども復帰して重賞戦線に登場した時は忘れず狙っていきたいですね。

 

今年はハイレベルのメンバーが揃った東京スポーツ杯2歳ステークスで2着に好走したアガラスが人気の中心になりそうですが、東京スポーツ杯2歳ステークス3着で既に重賞好走実績のあるヴァンドギャルドや、500万条件を強い内容で勝ち上がってきたダノンチェイサーここで好勝負できればクラシックへの挑戦権を獲得できるだけに、サートゥルナーリア、アドマイヤマーズの二大巨頭を脅かす馬の登場に期待したいと思います。

 

《きさらぎ賞2019/予想オッズ》

 

①人気 ヴァンドギャルド   2.2倍

②人気 ダノンチェイサー   2.6倍

③人気 アガラス       4.2倍

④人気 エングレーバー    7.4倍

⑤人気 メイショウテンゲン  16.8倍

 

《きさらぎ賞2019/出走予定馬分析》

 

アガラス(牡3)

騎手:戸崎 調教師:古賀(美浦)

主な勝鞍:東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)2着

コスモス賞(OP)2着

東京1800mのデビュー戦では好仕上がりに加えてルメール騎手が騎乗していたこともあって単勝1.8倍の圧倒的1番人気に支持されると、レースでもスローペースを先行集団の中で折り合い抜群の手応えで直線を向き、馬場の真ん中を楽に抜け出すと最後は抑える完勝でデビュー勝ちを飾りました。続くコスモス賞では逃げる競馬で直線ナイママとの叩き合いに屈して2着に敗れたのが影響してか前走の東京スポーツ杯2歳ステークスでは7番人気と大きく人気を落としましたが、これまでとは一転して後方からの競馬になったものの直線馬群を縫うように伸びてくると、最速の上がりを使って勝ったニシノデイジーからハナ差2着に好走し改めてその能力を証明しました。先行しても控えても好走できるレースセンスの高さは同世代の中でも大きな武器で、デビュー戦2着のシークレットランが後に未勝利戦→葉牡丹賞を連勝、コスモス賞で負けたナイママが次走札幌2歳ステークスで2着、さらに前走ハナ差のニシノデイジーがホープフルステークス3着と、これまで強い相手に勝ち負けを続けているのも同馬の高い能力の証明と言えるでしょう。【非常に重い京都の馬場状態】はやや不安ではあるものの、これまでの成績からも大崩れは考え辛い1頭ですね。

 

ヴァンドギャルド(牡3)

騎手:M.デムーロ 調教師:藤原(栗東)

主な勝鞍:新馬戦(阪神芝1600m)

     東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)3着

デビュー戦は重馬場でのレースとなりましたが、最内枠スタートから馬群に包まれる形で直線に入っても中々進路が開きませんでしたが、馬群を縫うように抜け出すとゴール前では逃げ粘る2着馬をアッサリ交わしてデビュー勝ちを飾り素質の高さを証明しました。続く素質馬が揃った東京スポーツ杯2歳ステークスでも終始馬群に揉まれる形でしたが、直線馬群を捌いて外に出すと一瞬の切れで一旦は先頭に立ったもののゴール前僅かに失速しての3着でした。前走のホープフルステークスでは6着に崩れたものの、直線で2度挟まれる不利があってのモノだけに度外視していいでしょう。追い出されてからトップスピードまで加速する速さはディープインパクト産駒らしい非凡なものがあり、馬群を苦にしない勝負根性と間を割れる機動力も同世代同士では大きな武器になると思います。前走不利を受けたことによる精神的ダメージの有無は気になるところではあるものの、スムーズなレースが出来ればアッサリ巻き返しても不思議ないと思います。

 

ダノンチェイサー(牡3)

騎手:川田 調教師:池江(栗東)

主な勝鞍:こうやまき賞(500万)

デビュー戦では重馬場の影響もあってか1番人気で4着に敗れたものの、続く未勝利戦を強い内容で勝ち上がると2走前のきんもくせい特別では2歳戦としては淀みない流れの中を積極的に先行し、ゴール前マイネルサーパスの強襲に遭ってハナ差2着に敗れたもののほぼ勝ちに等しい強い内容でした。前走のこうやまき賞ではそれを証明するように、好スタートから好位の外々を追走する正攻法の内容で直線一旦は内から交わされたものの、ゴール前捻じ伏せるように伸びる着差以上の完勝で2勝目を上げました。ディープインパクト産駒にしては切れるというより追って長くいい脚を使うタイプで、今の非常にパワーが求められる馬場状態に加えて、その末脚が最大限活きる京都外回りの1800mは確実にプラスに働くと思います。溜めれば確実に脚を使える反面、ある程度前々からの競馬でも直線しっかり脚を使えるように展開面で自在性があるのも他馬に比べて有利と言えそうで、前走1600mを使ったことで気性面で前向き過ぎる面さえ出さなければ十分好勝負が期待できる1頭だと思います。

 

エングレーバー(牡3)

騎手:藤岡祐 調教師:中内田(栗東)

主な勝鞍:500万条件(中山芝2000m)

デビュー戦ではスタートで行き脚が付かなかったものの超スローペースに加えて良馬場にしては力のいる馬場に助けられた印象でのハナ差辛勝で、そういった評価も影響してか前走の500万条件平場戦では12頭立て5番人気とそれほど人気はありませんでしたが、終始好位のインを折り合って追走すると4コーナーでは自ら動いて進出し、直線早めに逃げた馬を捕まえると最後は外から猛追してきたエスポワールも余裕をもって抑え込み、着差以上の強い内容でデビュー2連勝を飾りました。決して派手さはないものの、先行する競馬も差す競馬も対応したレースセンスの高さは大きな武器で、2戦目で課題であったスタート面を修正してきた学習能力の高さも高評価できるポイントだと思います。まだスローペースしか経験しておらず淀みない流れになった時に追走で戸惑う面を見せる可能性もあるため、初めて強い相手との対戦となるここは試金石の1戦となりそうですね。

 

《きさらぎ賞2019》

《出走予定馬分析から見る本命馬》

 

【ダノンチェイサー】

これまで4戦のレースで見せてきた内容から正直そこまでの凄みを感じないのは事実であるものの、近2走で見せている直線で並ばれたからもう一伸びする勝負根性と、自ら勝ちに行く競馬をしながら決して大崩れすることのない安定感を評価して本命にしたいと思います。前走のこうやまき賞ではゴール前で内を強襲してきたマイネルウィルトスに一旦は完全に前に出られたものの、そこからグイっと伸びて差し切った内容は着差以上に強い内容で、2走前のきんもくせい特別でも自ら動いて前を捕まえに行き最後までしぶとく脚を伸ばしたレースは『負けてなお強し』といった好内容だったと思います。今の京都コースが非常に力のいる馬場であることを考えると上がりの掛かる展開で好走実績があるのは高評価できるポイントで、しっかり追って馬自身を動かすタイプの川田騎手との再コンビも魅力ではないでしょうか。ディープインパクト産駒が近5年連続連対中で、さらに所属する池江厩舎が2勝2着1回3着1回と抜群の好成績を残しているのも大きな追い風と言えそうで、ここは十分勝ち負けが期待できるのではないでしょうか。