2018年2月17日(土) 東京競馬11レース
第68回 ダイヤモンドステークス(GⅢ) 東京芝3400m
《ダイヤモンドステークス2018 レース展望》
昨年はキタサンブラックが日本レコードで天皇賞・春を連覇してくれたことやアルバートのステイヤーズステークス3連覇の偉業もあって一時的に注目度が高くなった感のある長距離重賞ですが、ダイヤモンドSにおいては相変わらず『ガラパゴス化』が進んでいると言ってもいいかもしれません。東京の芝3400mのレースは年間でこの1レースだけしか行われておらず、当然ながらこの舞台で適性の高い馬にとっては他に活躍の舞台がないのが現状と言えるのは否定できない事実と言えるでしょう。昨年の勝ち馬アルバートや14~16年と3年連続で連対したフェイムゲームはその後別の距離でも重賞を制してますが、この2頭はGⅠでも好勝負した実績があるように元々の能力が高いこともあっての好走であるため、ここで馬券を的中させるためには如何に各馬の『隠れた長距離適性』を見抜くことができるかが重要となってきそうですね。今年の登録メンバーを見るとフェイムゲーム以外は全て重賞未勝利馬で決してメンバーレベルが高いとは言えませんが、そのフェイムゲーム自身も明け8歳を迎えたこともあって能力が徐々に下降線を辿っていくのは間違いないため、天皇賞・春を目標とする馬にとっては最低でもフェイムゲームに先着することがGⅠを目指す上での絶対条件と言えそうで、各馬の奮起に期待したいところですね。
《ダイヤモンドステークス2018 予想オッズ》
①人気 フェイムゲーム 3.4倍
②人気 レジェンドセラー 4.4倍
③人気 ソールインパクト 4.5倍
④人気 プレストウィック 8.0倍
⑤人気 マウントロブソン 11.0倍
⑥人気 リッジマン 16.8倍
⑦人気 ラブラドライト 20.9倍
⑧人気 ヤマカツライデン 28.0倍
⑨人気 アングライフェン 28.5倍
⑩人気 ハッピーモーメント 29.9倍
《ダイヤモンドステークス2018 出走予定馬分析》
① フェイムゲーム(セ8)
騎手:ルメール 調教師:宗像(美浦)
主な勝鞍:目黒記念(GⅡ)
アルゼンチン共和国杯(GⅡ)
ダイヤモンドステークス(GⅢ)
昨年のダイヤモンドSでは4年連続連対という偉業を目指しての出走でしたがアルバートを意識し過ぎたか終始後方での後手後手の競馬になってしまい直線で追い込み切れずに6着と凡走しましたが、その後目黒記念を8番人気で勝利し前走のステイヤーズSでもアルバートより先に仕掛けて勝ちに行く競馬で2着したように、得意の長距離戦においてはまだまだ能力上位なのは間違いないでしょう。過去の実績からかなり重いハンデを背負わされるのはハンデ戦で軽斤量の他馬との比較を考えると不利と言えそうですが、16年ダイヤモンドステークスで58.5キロを背負って2着している実績からも大きく評価を落とす必要はないと思います。明け8歳で能力面での衰えも気になるところではありますが、他馬と比べても能力面・実績面で抜けた存在であるのは間違いなく、スムーズなレースさえできれば十分勝ち負けできる存在だと思います。
② レジェンドセラー(牡4)
騎手:田辺 調教師:木村(美浦)
主な勝鞍:オリオンステークス(1600万)
前走のアメリカジョッキークラブカップでは4番人気に推されましたが、スローペースでマイネルミラノが大逃げを打ったことで馬群が大きく縦長になる特殊な展開が災いして7着と凡走しましたが、近3走で馬体重が30キロ近く増えていたことから重め残りだったのも影響した印象です。2走前のオリオンステークスでは先に抜け出した2着馬を追って追ってゴール前ようやく捕まえたように本質的には持続力勝負に強いタイプで、今回3400mに距離が延びるのはプラスに働くと思います。年明けからアメリカジョッキークラブカップのダンビュライトにクイーンカップのテトラドラクマの2頭が重賞を勝ち勢いのあるルーラーシップ産駒で、血統面や函館の2600m戦を勝利していることからもスタミナ面の不安はなさそうで、初コンビとなる田辺騎手によって新たな一面が引き出されればアッサリの巻き返しがあっても不思議ない1頭ではないでしょうか。
③ プレストウィック(牡7)
騎手:戸崎 調教師:武藤(美浦)
主な勝鞍:丹頂Sステークス(OP)
ステイヤーズステークス(GⅡ)3着
明け7歳馬となりますがこれまで大事に使われてきたこともあって、今回が35戦目ながら近5走で3度馬券圏内に入っているように充実期を迎えている印象です。これまではオープン特別では好走するものの重賞ではあと一歩足りない競馬が続いていましたが、前走のステイヤーズステークスではアルバート、フェイムゲームの長距離重賞の重鎮2頭には離されたものの3着を確保し自力強化を印象付けました。血統的にはどう見ても長距離向きには見えませんが気性面で非常に落ち着いた馬で、これまでの長距離実績からも父ダイワメジャーという血統だけで評価を下げるのは危険だと思います。今回過去3戦騎乗して全て掲示板内に好走している相性のいい戸崎騎手が騎乗予定なのも心強く、今の充実度とフェイムゲームとのハンデ差を活かせばここで重賞初制覇を飾っても全く驚けない存在だと思います。
④ ソールインパクト(牡6)
騎手:福永 調教師:戸田(美浦)
主な勝鞍:アルゼンチン共和国杯(GⅡ)2着
七夕賞(GⅢ)3着
前走の日経新春杯では4コーナーで1~3番手にいた3頭がそのまま1~3着する完全な前残り馬場&展開の中、中団からの競馬で直線手応えなく失速したのは体調面での影響が非常に大きかったのが原因でしょう。これまでの成績を見ると分かるように輸送のある関西圏での競馬だと成績を落とす傾向があり、また瞬発力勝負も苦手にしていることから前走の大敗はある程度目を瞑ってもいいのではないでしょうか。1着スワーヴリチャード、3着セダブリランテス、4着アルバートといったレベルの高かったアルゼンチン共和国杯で2着しているように能力が重賞級であるのは明らかで、1600万条件で勝ち鞍がない関係上それほど重いハンデを背負わされないのも長距離戦においては有利と言えそうです。平均的に長くいい脚を使えるだけに上がりが掛かりやすいダイヤモンドステークスのレース傾向にもピッタリと言えそうで、体調面の不安さえなければ上位争いをするだけの能力を十分に持った1頭だと思います。
《レース展望から見るダイヤモンドステークスを勝つのはこの馬!!》
レジェンドセラー(牡4)
前走:アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)4人気7着
父:ルーラーシップ
母父:スペシャルウィーク
前走のアメリカジョッキークラブカップでは道中後方馬群のインを追走する形となり、スローペースながら楽に先行する2頭を捕まえようと動いたミッキースワローが動いたタイミングで動けなかったのが影響してか、直線ジリジリ脚を伸ばしたものの勝ち負けには加われずの7着でした。ただ今回の凡走は特殊な展開に加えて近走の大幅馬体増で動けなかった可能性も高く、最後に差を詰めていることからも能力負けでないのは明らかで度外視してもいいと思います。血統的に菊花賞馬キセキを出しているように長距離向きなのは間違いないルーラーシップ産駒で、それほど瞬間的な脚が使えるタイプではないだけに間違いなく上がりの掛かる持続力勝負になる東京3400mは同馬にとってプラスに働くでしょう。積極的な競馬が持ち味の田辺騎手とも相性が良さそうで、人気もいい感じに落ちそうな今回は馬券的にも面白そうで積極的に狙ってみたい1頭です。