2018年2月17日(土) 京都競馬11レース
第53回 京都牝馬ステークス(GⅢ) 京都芝1400m
《京都牝馬ステークス2018 レース展望》
16年から距離が1400mに短縮され、さらに施行時期が変更された京都牝馬ステークスですが、かなりパワーが求められる馬場で開催されることが影響してかより底力が求められるようになった印象です。16年勝ち馬クイーンズリング、17年勝ち馬レッツゴードンキが後にGⅠで連対したのに加えて、16年2着マジックタイムが牡馬混合重賞ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)を勝利し、17年2着ワンスインナムーンがGⅠスプリンターズステークスで僅差の3着と好走したのは今後に向けても注目すべきポイントと言えそうですね。また1400mという距離からもスプリンター寄りの馬にとっては昨年のレッツゴードンキのように高松宮記念へのステップとして、マイラー寄りの馬にとっては後に続くヴィクトリアマイルや安田記念への始動戦としてもちょうどいい間隔であり、別定戦で賞金を持った実績馬でも出走しやすいこともあってこれからは出走馬のレベルが高くなってきそうだけに来年以降も同レースの傾向はしっかりチェックしておく必要があると思います。今年も既にGⅠでも好走実績があるワンスインナムーンやソルヴェイグに加えて、既に重賞勝ち実績もあるミスパンテールにダイアナヘイロー、ミスエルテなどGⅢながらなかなかハイレベルのメンバーが揃った印象で、ここで好走した馬は人気薄でも今後のGⅠ戦線において目の離せない存在となるのは間違いないのではないでしょうか。
《京都牝馬ステークス2018 予想オッズ》
①人気 ミスパンテール 3.1倍
②人気 ワンスインナムーン 4.0倍
③人気 ソルヴェイグ 4.0倍
④人気 ダイアナヘイロー 10.9倍
⑤人気 デアレガーロ 19.1倍
⑥人気 エンジェルフェイス 24.8倍
⑦人気 ミスエルテ 25.1倍
⑧人気 ヴゼットジョリー 29.8倍
⑨人気 アリンナ 45.0倍
⑩人気 エスティタート 48.5倍
《京都牝馬ステークス2018 出走予定馬分析》
① ミスパンテール(牝4)
騎手:四位 調教師:昆(栗東)
主な勝鞍:ターコイズステークス(GⅢ)
2歳夏のデビュー勝ち以来7か月振りでいきなりの重賞挑戦となったチューリップ賞でリスグラシューやカワキタエンカに先着して2着したように早くからその潜在能力の高さを証明した同馬ですが、クラシック路線ではキャリアの浅さや距離適性が影響してか二桁着順の苦しいレースが続きました。しかし、秋華賞をパスして臨んだ清水ステークス(1600万)で古馬相手に勝利を収めると、続くターコイズSでも1着から14着までが0.4差という大混戦で馬群が密集したレースの中で直線狭いところを縫うように一瞬で抜け出して重賞初制覇を達成しました。強い4歳牝馬世代を代表する1頭で、一瞬の加速力と切れる末脚が武器だけにスローになりやすい牝馬限定戦は同馬にとってプラスだと思います。大型馬ながら非常に器用でセンスがあり馬群を割って出てこれる勝負根性も魅力のため、初距離となる1400mでも十分に好走できるのではないでしょうか。
② ワンスインナムーン(牝5)
騎手:石橋 調教師:斎藤(美浦)
主な勝鞍:朱鷺ステークス(OP)
スプリンターズステークス(GⅠ)3着
京都牝馬ステークス(GⅢ)2着
昨夏に1600万特別、オープン特別の朱鷺ステークスと連勝して臨んだスプリンターズステークスでは実績面で劣りながらも好スタートから二の脚速くハナを奪って平均ペースに持ち込むと、直線を向いても最後まで失速せずにしぶとく粘る見せ場十分の競馬で3着と好走しました。続く香港スプリントではさすがに相手が強く12着と惨敗したものの、1200mの快速馬相手に楽に先行できるスピードは優に重賞級で、今回のメンバー相手でも十分に上位のモノであるのは確かだと思います。昨年と比べて海外遠征明け初戦であるため仕上がり状態が問題となりそうですが今回鞍上が非常に相性のいい石橋脩騎手に戻るのは好材料で、昨年と比べてパワーアップしているのが間違いない今の状態であれば重賞初制覇を飾っても不思議ないと思います。
③ ソルヴェイグ(牝5)
騎手: 調教師:鮫島(栗東)
主な勝鞍:フィリーズレビュー(GⅡ)
函館スプリントステークス(GⅢ)
オパールステークス(OP)
3歳時に古馬相手に函館スプリントステークスを勝利しスプリンターズステークスでも3着したように早くからスプリンターとしての高い素質を見せていた同馬ですが、その反面昨年のシルクロードステークスや京阪杯で不可解な敗戦を喫したように、古馬になってからやや気分屋な面が出てきた印象です。ただ、前走の京阪杯は9着とはいえ勝ち馬からは0.5差しか負けておらず、明け5歳となりましたが牝馬同士であればまだまだ実力上位なのは明らかだと思います。今回は3歳時のフィリーズレビュー以来の1400m戦となりますが、そのフィリーズレビューでは先行抜け出しの正攻法で勝利しており距離は問題ないでしょう。牝馬同士の別定戦で相手関係が多少楽になるのも好材料で、前走からアッサリの巻き返しがあっても全く不思議ない存在だと思います。
④ ダイアナヘイロー(牝5)
騎手:武豊 調教師:福島(栗東)
主な勝鞍:北九州記念(GⅢ)
前走のシルクロードステークスでは牡馬混合戦でありながら1番人気に支持されましたが、牡馬相手に55キロを背負っていたことに加えて雪の影響で良馬場発表ながら渋った馬場状態が影響してか、セイウンコウセイが作る淀みないながらを2番手で追走するも直線手応えなく失速して16着と惨敗してしまいました。昨年の北九州記念で見せたようにハイペースを持ったまま楽に先行できるスピード能力は現役屈指のものがあると思いますが、その反面パワーに欠ける面があり坂のあるコースやパワーが求められる馬場が苦手なのは間違いないと見ていいと思います。開催最終週でかなり時計が掛かる馬場となっているのは同馬にとってはマイナスで、単調な面があることからも1400mへの距離延長も微妙と言わざるを得ませんが、人気が大きく落ちそうな今回マークが薄くなって楽に先行させてもらえるようであれば能力は確かだけに油断できない1頭になりそうです。
《レース展望から見る京都牝馬ステークスを勝つのはこの馬!》
ワンスインナムーン(牝5)
前走:香港スプリント(香GⅠ)12着
父:アドマイヤムーン
母父:ヘクタープロテクター
重賞未勝利の身ながら果敢に挑戦した前走の香港スプリントでしたが、さすがに相手が世界でトップクラスと言われる香港短距離馬相手だっただけにブービーの12着と大敗したのはやむを得ない結果だったと言えるでしょう。しかし快速馬揃いの香港馬相手でもアッサリハナを奪った二の脚の速さは同馬の持つ優秀な才能と言えそうで、他馬に執拗なまでに競りかけられた厳しい展開を考えると前走の大敗が同馬の能力でないのは明らかだと思います。昨年の同レースでレッツゴードンキ相手に2着しているようにコース適性の高さは既に証明済みで、控える競馬でも結果を残しているように自在性のある脚質は先行馬が多い今回のメンバーの中でも大きな武器になるのは間違いないでしょう。海外遠征明け初戦となるだけに仕上がり状態がカギとなりそうですが、GⅠでも好走実績があるように実績上位の今回は貫録を見せつけての勝利に期待して本命を打ちたいと思います。