【日経新春杯2019予想/出走予定馬分析】07年天皇賞・春を制した先輩を目指して、再び大舞台で『武豊×メイショウ』コンビの復権を誓うのはアノ馬!?

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2019年1月13日(日) 京都競馬11レース

第66回 日経新春杯(G2) 京都芝2400m

 

《日経新春杯2019/レース展望》

 

過去には12年香港のクイーンエリザベスⅡ世ステークスを完勝し国内外を通じてGⅠ初制覇を飾った11年勝ち馬ルーラーシップや、昨年大混戦メンバーで行われた宝塚記念で香港最強馬ワーザーの激しい追い込みを凌ぎ切って悲願のGⅠ初制覇を飾ると共に、鞍上の和田騎手にとっても約20年振りとなるGⅠ勝ちのパートナーとなった17年勝ち馬ミッキーロケットなど、後にGⅠでも勝ち負けをするような馬が強い競馬で貫禄を示す年もあれば、引退レースだった同レースで49キロの軽ハンデを追い風にあれよの逃げ切りで勝利し、現役続行後もエリザベス女王杯でクイーンスプマンテと共に大万馬券を演出した09年11人気1着テイエムプリキュアや、牡馬相手にクラシックディスタンスの距離で互角以上の戦いを続け、10年の同レースで3馬身差の完勝を飾ったメイショウベルーガなど我々の記憶に強く残っている『個性派』の馬が勝利する年があるのも、日経新春杯というレースが持つもう一つの『顔』と言ってもよさそうですね。年明け直後に行われるハンデ戦のGⅡ戦ということもあってなかなか一線級の馬が揃いにくい面があるのも事実ですが、こういった別の視点でレースに注目するとまた面白いのではないでしょうか。

 

今年の出走予定馬に注目して見ると、昨年秋から冬にかけて圧倒的な存在感を放った『明け4歳世代』のメイショウテッコン、グローリーヴェイズといった既に重賞好走実績のある馬が人気の中心になりそうですが、先輩古馬陣のメンツを見ても昨年500万条件の身からGⅡ2着まで一気に出世した上り馬ムイトオブリガードや、目黒記念を勝利し東京2400mで行われた府中ステークスを2.22.9という驚異的なタイムで完勝したウインテンダネスなど一筋縄ではいかない好メンバーが揃った印象です。この後天皇賞・春から宝塚記念へと続く古馬GⅠ戦線に向けて楽しみが持てるような強い勝ち方をする馬の登場に期待したいと思います。

 

《日経新春杯2019/予想オッズ》

 

①人気 グローリーヴェイズ  2.8倍

②人気 メイショウテッコン  3.5倍

③人気 ムイトオブリガード  4.5倍

④人気 アフリカンゴールド  7.3倍

⑤人気 ルックトゥワイス   13.0倍

 

《日経新春杯2019/出走予定馬分析》

 

ムイトオブリガード(牡5)

騎手: 調教師:角田(栗東)

主な勝鞍:アルゼンチン共和国杯(GⅡ)2着

六社ステークス(1600万)

昨年の始めにはまだ500万条件を走っていたように全くと言っていいほど目立たない存在でありましたが、小倉2600mの500万条件戦を勝ち上がった直後に格上挑戦の阪神大賞典で4コーナー先頭の強気のレースをしたことで馬自身にスイッチが入った印象で、阪神大賞典こそ9着に敗れたもののその後1000万→1600万特別を3連勝して一気にオープン入りを果たすと、前走のアルゼンチン共和国杯では超が付くほどのスローペースを後方で折り合って追走し、先行した馬が上位を独占する中上がり3F32.5という極限の末脚を使って2着まで猛追して勢いが本物であることを証明しました。逃げの競馬に加えて先行して押し切る正攻法の競馬、さらには前走のように直線で末脚を伸ばす競馬にも対応できる非常に幅広いレースセンスと自在性は同馬の大きな武器で、本格化以降まだ全く底を見せていないように上積みを大きく残しているのも好材料と言えるでしょう。2400mも3戦3勝でまさに適正距離と言えそうで、よほど大きな不利を受けたりといったアクシデントさえなければ間違いなく勝ち負けに加わってくるのではないでしょうか。

 

メイショウテッコン(牡4)

騎手:武豊 調教師:高橋義(栗東)

主な勝鞍:ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

神戸新聞杯(GⅡ)3着

白百合ステークス(OP)

昨年の春シーズンは若葉ステークス5着、京都新聞杯6着とあと一歩足りない成績が続いてクラシックには出走できませんでしたが、白百合ステークスで後の秋華賞4着サラキアを完封すると、続くラジオNIKKEI賞では後の菊花賞馬フィエールマンの猛追を凌いで重賞初制覇を飾りました。秋復帰戦となった神戸新聞杯でも強気の逃げでワグネリアン、エタリオウといった世代トップクラスを相手に互角以上のレースを見せての3着と好走し、期待を持って臨んだ前走の菊花賞でしたが、スタートで行き脚が付かなかったことで逃げられず自分のペースでレースが出来なかった影響もあって14着と大敗してしまいました。前走の大敗は苦手とする瞬発力勝負に加えて全く自分のレースが出来ておらず、ノーカウントでいいと思います。とにかくハナを切るかマイペースで先行すれば直線かなりしぶとい二の脚を使えるのが同馬の最大の武器で、梅花賞で勝利を上げており先行する競馬が抜群に上手い武豊騎手とのコンビも大きな魅力と言えるでしょう。直線での上がり勝負だと分が悪いのは明らかなだけに、変にスローに落とさず淀みないペースで先行すればあっさり巻き返しても不思議ない1頭だと思います。

 

ウインテンダネス(牡6)

騎手:内田博 調教師:栗東(杉山)

主な勝鞍:目黒記念(GⅡ)

緑風ステークス(1600万)

昨年の春までは1000万条件の長距離戦で頭打ちの成績が続いていた同馬ですが、内田博騎手と再コンビを組んだ府中ステークスで勝ち馬から0.2差に好走し1600万条件戦に目途を立てると、続く緑風ステークスでは1600万条件特別の勝ち時計としては破格の2.22.9のタイムで完勝し、勢いそのままに挑んだ目黒記念では次走宝塚記念でも3着に好走するノーブルマーズとの叩き合いを制して重賞初制覇を飾りました。休養明け後の3戦は馬券圏内に好走できていませんが、GⅡ2戦はスローペースで持ち味が活かせず、前走のジャパンカップはさすがに相手が強かったこともあり度外視していいと思います。単騎の逃げで淀みない流れで引っ張ってこそ持ち味が活きるタイプで、今回メンバー的に楽に先手が奪えそうなのはプラスと言えるでしょう。さらに内田博騎手とはGⅠを除けば【2・1・0・1】と非常に好相性で、父が8歳でGⅠ連勝を飾ったカンパニーだけに明け6歳を迎えますがまだ成長する余地は十分あると思います。今回他馬との比較でハンデを背負うのは気になるところですが、『人気薄の逃げ馬』として怖い1頭なのは間違いないでしょう。

 

グローリーヴェイズ(牡4)

騎手:M.デムーロ 調教師:尾関(美浦)

主な勝鞍:佐渡ステークス(1600万)

きさらぎ賞(GⅢ)2着

デビュー3戦目のきさらぎ賞で勝ったサトノフェイバーからハナ差2着に好走したように元々同世代の中でも高い能力は証明していたものの、体質的な弱さもあって春シーズンはクラシックレースに出走することはできませんでした。しかし、休み明けで出走した2走前の佐渡ステークスでは古馬と初対戦ながら圧倒的1番人気に支持されると、前3頭を見ながらの離れた4番手追走から直線最内を突くとあっという間に抜け出しての完勝でした。前走の菊花賞では最も不利とされる大外枠を引きながらも中団馬群の外目を折り合って追走し、2週目4コーナーで前を行くブラストワンピースを追うように仕掛けると最後まで長くいい脚を使って13番人気ながら5着に健闘して地力の高さを証明しました。デビューから掲示板を外していない安定感に加えて、前に行っても控えても大崩れなく好走できるレースセンスの高さは今回のメンバーの中でも通用する武器で、ディープインパクト産駒らしく溜めれば確実に切れる脚を使えるのも京都外回りコースを考えるとプラスに働くのは間違いないでしょう。まだキャリアも6戦と浅く、その分成長力を大きく残しているのも魅力と言えそうで、これまで3戦コンビを組んで連対率100%のM.デムーロ騎手の手腕も含めて注目の1頭でしょう。

 

《出走予定馬分析から見る本命馬》

 

◎メイショウテッコン

前走の菊花賞ではスタートでやや立ち遅れ、前を狙って上がっていったもののそこで前が壁になり、さらに動けないうちに全体的なペースがガクッと落ちてしまったのは切れる脚を持ってない同馬にとっては理想と真逆のレースになってしまったと言えそうで、14着大敗も止む無しといったところでしょう。先行馬ながらスタートがそれほど速くない弱点があるだけにスタートしてすぐコーナーを迎える京都3000mはコース自体も向いておらず、それだけに今回スタートから1コーナーまで距離がある外回り2400mに替わるのは間違いなくプラスで、巻き返しは十分可能でしょう。これまでのレースでワグネリアン、エタリオウ、フィエールマン、サラキアといった世代トップクラスの相手と勝ち負けを演じてきただけに同馬がGⅠ級の能力があるのは間違いなく、今回スタートが上手く先行させる馬と非常に相性のいい武豊騎手と再コンビを組むのも大きな追い風と言えそうで、先行しての押し切りに期待して本命評価にしたいと思います。