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2018年8月19日(日)
札幌競馬11レース
第54回 札幌記念(G2)
札幌芝2000m
《札幌記念2018/レース展望》
夏競馬に行われる唯一のGⅡレースでありマイラーでもクラシックディスタンスを歩む馬でも出走可能な2000ｍといった距離、さらには秋の大舞台に向けて余裕を持ったローテーションで臨みたいGⅠ実績のある馬が参戦しやすい涼しい気候であることから毎年非常にハイレベルのメンバーが揃いやすいのが札幌記念の特徴で、10年アーネストリーや11年トーセンジョーダン、さらには16年ネオリアリズムのようの同レースの勝利をキッカケに後にGⅠレースを制して飛躍を遂げた馬や、09年ブエナビスタや16年モーリスのように同レースで圧倒的1番人気に支持されながら2着に敗れ、その経験を糧にその後GⅠを複数勝利した馬も多く、こういった活躍馬を多く輩出していることが度々GⅠレースへの昇格が囁かれ同レースが『夏のスーパーGⅡ』と呼ばれる所以でしょう。個人的に非常に強く記憶に残っているのが、前年の有馬記念以来の出走となった牝馬GⅠ3勝馬であるテイエムオーシャンがプラス38キロの大幅馬体増ながら横綱相撲の競馬で圧勝した02年と、共に凱旋門賞出走を表明しており世代最強馬候補であった桜花賞馬ハープスターと前走宝塚記念を制したGⅠ3勝馬ゴールドシップが後続を突き放してマッチレースを演じた14年の札幌記念で、どちらも万馬券を的中することができた非常にいい思い出と共に強い牝馬が勝利した事実も含めて思い出深いレースとなっています。
今年も2年前のダービー馬マカヒキが骨折明け初戦に同レースを選んだのを筆頭に、ドバイ帰り初戦となる昨年のエリザベス女王杯馬モズカッチャンと16年札幌記念で当時マイル路線最強馬だったモーリスを抑えて逃げ切ったネオリアリズムのGⅠ馬3頭の参戦に加えて、サングレーザー、ヤマカツエース、クロコスミア、サウンズオブアースといったGⅠ好走馬も多数参戦を表明しており、秋のGⅠ戦線に向けて非常に注目度の高いレースになるのは間違いないでしょう。秋を見据えての参戦となるGⅠ馬に対して札幌記念を最大目標として臨む実績で劣る馬がどこまで食い下がれるか、馬券的な注目度も含めて各馬の仕上がり状態もしっかりチェックしておきたいですね。
《札幌記念2018/予想オッズ》
①人気 サングレーザー 4.3倍
②人気 モズカッチャン 4.4倍
③人気 ミッキースワロー 5.1倍
④人気 マカヒキ 5.6倍
⑤人気 サクラアンプルール 7.0倍
《札幌記念2018/出走予定馬分析》
🐎 マカヒキ(牡5)
騎手：ルメール 調教師：友道(栗東)
主な勝鞍：日本ダービー(GⅠ)
弥生賞(GⅡ)
フォア賞(仏GⅡ)
『史上屈指のハイレベル世代』と言われた16年の日本ダービーを制して世代の頂点に立った同馬ですが、前哨戦のニエル賞を完勝して臨んだ凱旋門賞で14着に大敗して以降は国内で勝ちきれないレースが続いており、現在4戦連続馬券圏内を外すというスランプに陥っている印象です。ただ、前走のジャパンカップでは上位3頭には離されたものの後方からしぶとく伸びて4着と好走しており、この馬なりに復調してきているのは間違いないでしょう。今回は骨折休養による休み明けでさらに小回りの札幌コースが初出走となるのはさすがに割引材料と言わざるを得ませんが、世代トップクラスのGⅠ馬サトノダイヤモンド、レインボーラインと互角以上のレースを繰り広げてきた能力が今回のメンバーにおいて上位なのもまた事実でしょう。今回は過去5戦3勝で乗り慣れたルメール騎手に手綱が戻るのも魅力で、8割の仕上げでも本来の能力を出せるようであれば十分勝ち負けできる存在だと思います。
🐎 サングレーザー(牡4)
騎手：福永 調教師：浅見(栗東)
主な勝鞍：マイラーズカップ(GⅡ)
スワンステークス(GⅡ)
マイルチャンピオンシップ(GⅠ)3着
今年初戦となった2走前のマイラーズカップでは人気こそ後に安田記念を制するモズアスコットや前年のマイルチャンピオンシップ2着エアスピネルに譲ったものの、レースでは後方待機からメンバー中最速の上がりを使って差し切って1.31.3のレースレコードでの完勝でした。前走の安田記念では外枠スタートから終始外々を回らされる展開が仇となって勝ち馬から0.2差の5着に惜敗しましたが、前年のマイルチャンピオンシップ3着の実績からも同馬がGⅠ級の能力の持ち主であるのは間違いないでしょう。札幌コースは2戦2勝と得意にしており、早くから札幌記念を目標に調整を続けてきたため仕上がりにも抜かりはなさそうです。今回最大の課題となるのは2歳時のホープフルステークス(5着)以来となる2000ｍの距離であるのは事実ですが、折り合いに難のあるタイプではないだけに充実期の今なら対応できる可能性も高く、秋の路線を決める上でもここは好勝負を期待したいところですね。
🐎 モズカッチャン(牝4)
騎手：M.デムーロ 調教師：鮫島(栗東)
主な勝鞍：エリザベス女王杯(GⅠ)
フローラステークス(GⅡ)
オークス(GⅠ)2着
ドバイ遠征の前哨戦となった2走前の京都記念では牝馬ながらクリンチャー、アルアイン、レイデオロといった同世代のGⅠ実績馬を相手に直線内を突いて一旦は完全に先頭に立っての4着と強い競馬を見せましたが、前走のドバイシーマクラシックでは結果として前残りの競馬となった中後方から進んだ同馬にとっては展開が向かずに6着と大敗しましたが、後にキングジョージを制するポエッツワードが2着だったことから相手が強かった面もあったのではないでしょうか。京都記念でのレース内容や相手関係から今回のメンバー相手でも引けを取らない能力があるのは確実で、一瞬の加速力に優れたタイプで馬群を割って伸びてくる勝負根性もあるだけに小回りの札幌コースもプラスに働くのではないでしょうか。本質的に叩き良化型だけに今回はドバイ帰り初戦となるのが不安点ではありますが、血統的に洋芝適性も高そうだけに秋に向けて牡馬相手にも引けを取らないような力強い走りを期待したいと思います。
🐎 ネオリアリズム(牡7)
騎手：モレイラ 調教師：堀(美浦)
主な勝鞍：クイーンエリザベス2世カップ(香GⅠ)
札幌記念(GⅡ)
中山記念(GⅡ)
昨年春のクイーンエリザベス2世カップでは道中あまりのスローペースに耐えきれないといった感じで向こう正面から一気に動いて先頭に立つ強引な競馬となりましたが、直線も粘り強く脚を伸ばして後続に交わさせずに初GⅠ制覇を海外の舞台で達成しました。その後は昨年の札幌記念を削蹄ミスによって回避したように順調に使えなかったことが影響して結果を残せませんでしたが、極端な極悪馬場となった昨年の天皇賞・秋を除けば国内では安定して走っており、昨年末の香港カップ3着の実績からも能力落ちは心配しなくてもよさそうです。気性的に激しい面があり以下に道中スムーズに走れるかが好走への大きなカギとなりますが、2年前の札幌記念では淀みない流れの逃げでモーリス以下を完封したように折り合って走ることができれば今回のメンバー相手でも十分好勝負できるだけの能力の持ち主でしょう。札幌コースは3戦3勝と大得意にしている競馬場で、モレイラ騎手ともGⅠ3戦で1勝3着1回と手が合っていそうな印象だけに、ここで好結果を残して秋のオーストラリア遠征に繋げてほしいところですね。
《出走予定馬分析から見る本命馬》
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（15位くらい）
前走の大阪杯では最内枠スタートから向こう正面でも内で包まれてなかなか外に出すタイミングがなかったところを外から一気にスワーヴリチャードにマクるような形で動かれ、3コーナー手前で外に持ち出すとそこからかなり長くいい脚を使って追い上げたものの、最後は外を通った分と早めに仕掛けたのが影響してか前と脚色が一緒になってしまっての5着惜敗でした。それでもメンバー中上位の上がりを使って勝ち馬から0.5差まで追い上げたのは同馬の地力の高さの証明で、強いと言われる4歳世代でもトップクラスの能力は証明したと言っていいのではないでしょうか。同馬の最大の武器はセントライト記念でアルアインを並ぶ間もなく差し切った抜群に切れる末脚で、これまでの好走が中山・福島と直線の短いコースに集中していることから札幌コースに高い適性を秘めている可能性も高いのではないでしょうか。他馬と比べてキャリアが浅い分成長力の面での伸びしろもかなり大きいのは好材料で、直線までスムーズに運ぶことさえできればその驚愕の末脚で全て差し切ってしまうだけの能力を持った1頭だと思います。
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