【東京新聞杯2019予想/出走予定馬分析】混戦を極めるマイル路線の『希望の星』として、自慢の切れる末脚を武器に安田記念に向けて名乗りを上げるのはアノ馬!?

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2019年2月3日(日)

東京競馬11レース

第69回 東京新聞杯(G3)

東京芝1600m

 

《東京新聞杯2019/レース展望》

 

近年は雪の影響による道悪馬場で行われた14年と15年以外ほぼ毎年のように上りが33秒台での決着となる東京新聞杯ですが、17年のような出走馬のほとんどの上りが32秒台(シンガリ負けのタガノブルグが33.3)となるのはさすがに異常な馬場状態と言わざるを得ないでしょう。同レースは1600m戦ながら前半3Fが37.2というスローにさらに輪をかけたスローペースだっただけに上がりタイムが異常に速くなるのは当然と言えば当然ですが、個人的に短い距離で瞬間的に極限とも言える脚を使う競馬は馬体に大きなダメージを与えると同時にその後の競争成績にも大きな影響を与えると思っており、3着エアスピネルと4着同着ストーミーシー以外は昨年の同レース以降1勝も挙げることができなかったのも決して無関係と言えないのではないでしょうか。特にこの時期は厳寒期で馬体が絞りにくい時期だけにさらに馬体にかかる負担は大きいものになりそうだけに、今後スローペースからの異常に速い上がりタイムでの瞬発力勝負といった競馬が増えないことを心から祈るばかりです。ここまでは暗いイメージが先行する重賞といった印象が強くなってしまいましたが、14年8人気1着ホエールキャプチャ、18年3人気1着リスグラシューがGⅠで連対する活躍を見せ、16年5人気1着スマートレイアーも牡馬相手に京都大賞典を勝利したように牡馬相手に同レースを勝った馬はその後の活躍が約束されると言ってもよさそうで、昨年のアーモンドアイの活躍でも証明されているように牡馬との能力差が小さくなっている昨今の傾向を見る限り牝馬の出走馬がいたら積極的に狙っていきたいところですね。

 

今年は昨年の秋以降古馬相手に重賞戦線で猛威を振るい、年が明けてからも各路線の重賞で強さを見せつけている『4歳世代』タワーオブロンドン、インディチャンプあたりが人気の中心になりそうですが、今回と同じ舞台で行われた富士ステークスやキャピタルステークスを勝利してコース適性を証明しているロジクライ、グァンチャーレといった先輩古馬陣も前走凡走からの巻き返しを虎視眈々と狙っており、春の安田記念に向けて世代間のレベルを確認する意味でも要注目のレースとなりそうですね。

 

《東京新聞杯2019/予想オッズ》

 

①人気 タワーオブロンドン  2.9倍

②人気 インディチャンプ   3.3倍

③人気 レイエンダ      4.5倍

④人気 ロジクライ      7.7倍

⑤人気 サトノアレス     7.8倍

 

《東京新聞杯2019/出走予定馬分析》

 

タワーオブロンドン(牡4)

騎手:ルメール 調教師:藤沢(美浦)

主な勝鞍:アーリントンカップ(GⅢ)

京王杯2歳ステークス(GⅡ)

2歳時に京王杯2歳ステークスを勝利し、昨年もアーリントンカップを勝利しているように元々同世代の中でもマイル路線においてはトップクラスの能力の持ち主でしたが、GⅠとなると朝日杯フューチュリティステークスではダノンプレミアム、ステルヴィオといった強敵がいたこともあって3着惜敗、そして1番人気で迎えたNHKマイルカップでは直線で馬群を捌き切れずに前が壁になっての12着大敗と、運が向かないこともありましたが不完全燃焼の内容となりました。復帰戦となった前走のキャピタルステークスでは出走全馬の上がりタイムが32~33秒台という異常な馬場状態の中を直線大外から2着まで追い上げており、GⅠ大敗の精神的ダメージは心配しなくてよさそうです。直線不利を受けたNHKマイルカップを除けば全てのレースでメンバー中上位の上がりを使っており安定した末脚が最大の武器だけに、その末脚が最大限活きる東京マイル戦は絶好の舞台と言えそうで冬場の極端に重い馬場】に一抹の不安が残るもののスムーズなら最有力候補の1頭でしょう。

 

ロジクライ(牡6)

騎手:横山典 調教師:須貝(栗東)

主な勝鞍:富士ステークス(GⅢ)

シンザン記念(GⅢ)

中京記念(GⅢ)2着

3歳時にシンザン記念を制しながらもその後2年近い長期休養があって3~4歳時を棒に振ってしまいましたが、降級後の1600万条件戦を3戦で突破して再びオープンクラスに返り咲くとその後は重賞でも安定した走りを見せ、2走前の富士ステークスで2番手追走から直線早め先頭の正攻法で1.31.7の好タイムで完勝し、その高い能力に陰りがないことを自らの走りで証明しました。前走のマイルチャンピオンシップではC.デムーロ騎手と手が合わなかったこともありますが、最も苦手とするスローペースからの瞬発力勝負になってしまったのが最大の敗因だけに、度外視していい内容だと思います。ある程度速い流れを前々で運びながらも直線で二の脚を使えるのが同馬の最大の武器で、人気どころに後方からの競馬を得意とする馬が多そうな今回楽に先行できそうなのはプラスと言えるでしょう。ただ、近年の東京新聞杯が極端な瞬発力勝負決着になっているのは気になるポイントで、好走するには横山典騎手の思い切った乗り方が必要になりそうですね。

 

インディチャンプ(牡4)

騎手:福永 調教師:音無(栗東)

主な勝鞍:元町ステークス(1600万)

アーリントンカップ(GⅢ)3着

デビューから新馬戦→500万条件戦を連勝したように早くからその能力の高さは証明していましたが、毎日杯3着、アーリントンカップ4着と重賞であと一歩の結果となって賞金を加算できず、春はGⅠに出走することが叶いませんでした。その後福永騎手に乗り替わった初戦の小豆島特別こそ後の関屋記念3着エイシンティンクルに惜敗しましたが、続く有松特別を完勝して迎えた前走の元町ステークスでは直線だけでほぼ全頭を差し切り、3馬身差の完勝でオープン入りを果たしました。元々重賞でも好走実績があるだけに昇級戦になりますが格負けする心配はなく、これまで7戦中5戦でメンバー中最速の末脚を使っているように溜めれば確実に切れる終いの脚は他馬にとって脅威になるのは間違いないでしょう。今回初の関東圏への遠征となるだけに馬体重や気性面への影響は気になるところですが、強い4歳世代の1頭だけにここでまとめて差し切っても不思議ない存在ではないでしょうか。

 

グァンチャーレ(牡7)

騎手:未定 調教師:北出(栗東)

主な勝鞍:キャピタルステークス(OP)

シンザン記念(GⅢ)

スワンステークス(GⅡ)3着

前走の京都金杯では好スタートから逃げ馬の後ろに付ける絶好位でレースを進め、道中スローペースも相まって後は直線で抜け出すだけといったレース運びでしたが、直線で間を割ろうとしたところで前が詰まってしまって内に切り替えるロスがあり、内ラチ沿いから抜け出して一瞬は先頭に立ったものの最後は外から伸びてきた馬に切れ負けする形で不完全燃焼の6着惜敗でした。ただ、勝ち馬から0.3差しか負けておらず能力を出し切ってないだけに力負けでないのは確実だけにノーカウントでいいと思います。2走前のキャピタルステークスではそれまで【0・0・0・6】と好走実績がない東京コースにもかかわらず今回上位人気確実のタワーオブロンドン以下を完封して勝利しており、明け7歳ですがさらに成長しているのは大きな魅力で、掲示板外からでもアッサリ巻き返してくるタイプだけに人気が落ちそうな今回はオッズ的な旨味もありそうです。その反面、瞬発力勝負に持ち込まれるとどうしても切れ負けしてしまうのも事実だけに、前々から積極的なレースを期待したいところですね。

 

《東京新聞杯2019》

《出走予定馬分析から見る本命馬》

 

【インディチャンプ】

前走の元町ステークスでは直線を向いて大外に持ち出してもまだ持ったままの手応えで、残り300mを切って追い出されると並び間もなく先行勢を交わし去るレベルが違いすぎる内容で、改めて同馬の能力が重賞級であることを証明したレースと言っていいでしょう。アーリントンカップでは早めに抜け出し過ぎてゴール前差されてしまいましたが、同馬の最大の武器は追い出されてからトップスピードに乗るまでの瞬間的な加速力で、今回初コースになりますがその一瞬の切れが最大限活きるワンターンの東京1600mは絶好の適性舞台と言って問題ないと思います。阪神や中京コースでの好走実績から直線坂のあるコースへの適性も既に証明済みなのは心強く、終いの脚を生かす競馬を得意とする福永騎手と手が合いそうなのも魅力で、牡馬にしては馬体がそれほど大きくなく輸送減りしないことが絶対条件となりますが、ここは新星誕生に期待して本命評価にしたいと思います。