【鳴尾記念2019予想/出走予定馬分析】母ほどの派手さはないものの一歩ずつ確実にキャリアを重ねて成長した実力を重賞初制覇という最高の形で披露するのはアノ馬!?

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2019年6月1日(土)

阪神競馬11レース

第72回 鳴尾記念(G3)

阪神芝2000m

 

《鳴尾記念2019/レース展望》

 

09~11年までは12月に1800mの距離で開催されていたこともあって有馬記念出走へのラストチャンス的な意味合いが強い重賞でしたが、12年に第3回阪神開催の開幕週へと移設されて距離も2000mに伸びたことから現在は『夏のグランプリレース』である宝塚記念の前哨戦的な意味合いが強くなりました。それを証明するように施行条件が替わった12年から4年連続で宝塚記念好走馬を輩出しているのは注目すべきポイントと言えそうで、12年1人気2着ショウナンマイティが宝塚記念3着に好走したのを筆頭に、13年3人気3着ダノンバラードジェンティルドンナ、フェノーメノのG1馬2頭に先着しての2着で波乱を演出し、14年も2人気4着カレンミロティックが9人気2着と激走して高配当の立役者となりました。さらに翌15年には宝塚記念3連覇を狙ったゴールドシップがスタートで大きく出遅れるアクシデントがあったものの、鳴尾記念2人気1着ラブリーデイが先行策から押し切ってG1初制覇を飾ったのは記憶に新しく、少なくとも阪神コースで行われる鳴尾記念で好走した馬が宝塚記念に出走してきた場合は要注目の存在となるのは間違いなさそうですね。また、もう一つの側面として15年ラブリーデイ、16年サトノノブレス、17年ステイインシアトル、18年ストロングタイタンと4年連続勝利を飾っているだけでなく、12年トゥザグローリーも含めれば12年以降の7年で5勝を挙げている『池江泰厩舎御用達レース』であるのも大きな特徴と言えそうで、これだけ好成績を残しているのは同レースの適性を的確に把握した上でその条件に合致した馬を送り込んでいるのは間違いないだけに、今年を含めて来年以降も絶対に覚えておきたいポイントと言えそうですね。

 

《鳴尾記念2019/予想オッズ》

 

①人気 ステイフーリッシュ  3.2倍

②人気 ギベオン       3.5倍

③人気 メールドグラース   4.2倍

④人気 タニノフランケル   5.9倍

⑤人気 ノーブルマーズ    11.7倍

 

《鳴尾記念2019/出走予定馬分析》

 

タニノフランケル(牡4)

騎手:武豊 調教師:角居(栗東)

主な勝鞍:大原ステークス(1600万)

小倉大賞典(G3)2着

中山金杯(G3)3

牝馬による64年振りの日本ダービー制覇以外にもG1通算7勝を上げて日本競馬史に燦然たる名を残すウオッカとデビューから14戦無敗で引退した当時の世界最強馬Frankelの間に生まれた世界的に見ても超良血と言える同馬ですが、これまでなかなか出世できなかった兄弟と比べて1戦毎に着実に地力を重ね、今年初戦となった中山金杯では9人気の伏兵評価ながら逃げて3着に粘り通す強い走りを見せ、2走前の小倉大賞典でも2番手追走から最後まで勝ち馬に食い下がっての2着で重賞級の走りを自らの走りで証明しました。前走はG1馬5頭が揃った豪華メンバーだっただけに10着大敗もそれほど気にしなくてよさそうで、今回これまで3戦して2勝を上げている阪神内回り2000mコースに替わるのは間違いなくプラスと言えるでしょう。【大型馬ながら休み明けを苦にしない】のも【1・0・2・0】の成績が証明しているように同馬の大きな武器で、先行する馬に乗せたら抜群のペースコントロールを発揮する武豊騎手が騎乗するのも大きな追い風と言えそうです。脚質的にどうしても他馬の目標にされやすい面があるのは気になるものの、スムーズに先行すればアッサリ逃げ切っても不思議ない1頭だと思います。

 

メールドグラース(牡4)

騎手:レーン 調教師:清水久(栗東)

主な勝鞍:新潟大賞典(G3)

尼崎ステークス(1600万)

デビューから4戦連続3着が続いたように血統的にも晩成傾向が強かった同馬ですが、条件戦でコツコツと好走を続け川田騎手との初コンビとなった境港特別で2着に好走するとその後はトントン拍子で条件戦を突破してオープン入りを果たし、重賞初挑戦となった前走の新潟大賞典では7番人気と伏兵評価の1頭に過ぎませんでしたが、初コンビとなったレーン騎手の好騎乗もあって直線馬場の真ん中を堂々と抜け出すと最後までしっかり伸びて差し切り重賞初制覇を飾りました。ルーラーシップの産駒らしいレースを使いつつ着実に強くなっていく成長力は大きな魅力で、阪神コースも【1・1・2・1】と得意としており初来日ながら短期免許で好騎乗が続くレーン騎手が継続騎乗してくれるのも大きな追い風と言えるでしょう。これまで良馬場では【5・2・4・0】と複勝率100%であるのに対して稍重以下だと【0・0・1・3】と好走実績がないだけに好走には良馬場が絶対条件となりそうですが、3連勝の勢いからも無視できない1頭と言えそうですね。

 

ギベオン(牡4)

騎手:福永 調教師:藤原(栗東)

主な勝鞍:中日新聞杯(G3)

NHKマイルカップ(G1)2着

毎日杯(G3)2着

デビューから2連勝を飾り、その後も毎日杯→NHKマイルカップで連続2着に好走したように同世代の中でも上位の能力を持っており、距離が長かったセントライト記念こそ13着に大敗したものの古馬との初対戦となった中日新聞杯ではゴール前ハナ差の激しい叩き合いを制して重賞初制覇を飾りました。飛躍が期待された今年は2戦して6、5着とあと一歩の競馬が続いていますが、金鯱賞はG1馬が5頭出走しており相手関係が強く、前走のダービー卿チャレンジトロフィーは前半3F通過が33.9のハイペースで追走に脚を使わされたことからそれほど悲観する必要はないでしょう。阪神コースはこれまで2戦して連対を外してないように好相性で、前走は1600mの速い流れで押っつけ通しになっていた点からも今回追走が楽になる2000mに戻るのは間違いなくプラスに働くと思います。その反面、コーナー4回のコースでは結果が出ておらず外国人騎手が騎乗した時しか結果を残せていないのは気掛かりなポイントで、今後の活躍を占う上でもここは試金石の1戦となりそうですね。

 

ステイフーリッシュ(牡4)

騎手:藤岡佑 調教師:矢作(栗東)

主な勝鞍:京都新聞杯(G2)

京都記念(G2)2着

中山金杯(G3)2着

デビュー2戦目のG1ホープフルステークスで3着に好走し、休み明けでプラス16キロと余裕残しだった京都新聞杯では速い流れを2番手追走から楽に押し切ったように高い能力を持つのは間違いないものの、展開が向かないとアッサリ二桁着順に大敗するように心身ともに未完成な3歳時は精神面の脆さも目立ちました。ただ、古馬との初対戦となったチャレンジカップ3着で成長をアピールすると、中山金杯、京都記念も連続2着に好走して復調を印象付けました。前走の大阪杯はさすがに相手が強く13着に大敗しましたが、マイナス12キロと明らかに本調子になかった共同通信杯を除けばG2~G3戦で掲示板を外していない安定感は魅力で、ステイゴールド産駒らしくこれまで二桁着順の次走は例外なく巻き返して好走しているメンタルの強さも大きな武器となるのは間違いないでしょう。藤岡佑騎手とも【1・2・1・1】と好相性だけに巻き返す可能性は高そうで、高い適性を秘めていそうな宝塚記念の舞台に向けてここは結果を出しておきたい1戦ですね。

 

《鳴尾記念2019》 

《出走予定馬分析から見る本命馬》

 

【◎タニノフランケル】

3歳時は血統的に注目されすぎた面があったせいかどうしても人気先行型のイメージが強い同馬でしたが、それまではスローペースの単騎逃げに持ち込めた際に好結果を残していた今までのイメージから3走前の中山金杯では自ら淀みない流れに持ち込みながら直線一杯に粘り込んで3着に好走したのは同馬の地力強化を大きく感じさせるものでした。さらに小倉大賞典では2番手追走になったものの、直線他馬のプレッシャーを受けながら直線しっかりした二の脚を使って最後まで粘り通した強い内容は精神面での成長を感じさせる内容で、脚質面である程度自在性が出てきたといった意味でも今後に向けて大きな収穫となる1戦だったのは間違いないでしょう。今回先行馬にとって絶対的に有利な開幕週の馬場で戦えるのは間違いなくプラスで、メンバー構成を見ても逃げ馬がブラックスピネルくらいしか見当たらず楽に先手が奪えそうなのも大きな追い風と言えそうだけに、母ウオッカの主戦騎手であった武豊騎手と夢の続きを競馬ファン見せるためにもここはキッチリ結果を残しておきたい1戦ですね。