【きさらぎ賞2019予想/過去データ分析】母から譲り受けた破壊力抜群の末脚を武器に、荒削りながらも大外一気で重賞初制覇を飾るのはアノ馬!?

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2019年2月3日(日)

京都競馬11レース

第59回 きさらぎ賞(G3)

京都芝1800m

 

土曜日夜の降雪の影響によってかなりの馬場悪化が見込まれた日曜日でしたが、芝・ダート共に良馬場で行われシルクロードステークスの勝ちタイムが1.08.3だったことを考えるとそこまで極端な馬場悪化はしてないと考えていいでしょう。ただ、これまでよりさらに外差し傾向が強くなっていたのは注目しておくべきポイントと言えそうで、多少の距離ロスがあっても外々を通って長くいい脚を使う馬は高評価しておきたいところですね。

 

《過去のきさらぎ賞好走馬/チェックポイント》

 

① 圧倒的好成績のディープインパクト産駒は『速い上がりタイム実績』に要注目!

直線が平坦で4コーナーの坂の下りで加速できる外回りコース、さらに経験の浅い3歳馬同士の戦いで道中スローペースの可能性が非常に高いレースとなった場合、導き出されるその答えとは……正解は当然『ディープインパクト産駒の瞬発力』で間違いないでしょう。特に近年は14年から5年連続連対中で、さらに16年は少頭数だったこともありますが、1人気1着サトノダイヤモンド、4人気2着レブランシュ、2人気3着ロイカバードの3頭で馬券圏内を独占するなど圧倒的な存在感を放っています。さらに、最大の武器である瞬発力が殺されてしまうため重い馬場を苦手とするディープインパクト産駒ですが、きさらぎ賞においては馬場が悪くても結果を残しており、稍重馬場の14年はトーセンスターダムが2人気1着、そして良馬場発表ながら連続開催でかなり馬場が荒れていた17年もサトノアーサーが1人気2着と連対を確保しておりこれまでの成績から末脚の裏付けがあるディープインパクト産駒がいれば高評価すべき存在と言えそうですね。また、ディープインパクト産駒以外でも『近2走以内にメンバー中最速の上がり』か『前走メンバー中2位以内の上がり』のどちらかを使ったことがある馬は15年1人気1着ルージュバックを筆頭に安定して好走していることから、数字の裏付けがある安定した末脚を持つ馬がいたらディープインパクト産駒でなくても高評価しておくべきと言えそうですね。

 

今年の出走予定馬の中でディープインパクト産駒は、ヴァンドギャルド、ダノンチェイサー、メイショウテンゲンの3頭となっており、3頭とも上記条件を満たしていることからも本命馬として相応しい評価をしてもよさそうですね。

 

② ある程度のキャリアがあって大崩れない人気馬は馬券の軸として鉄板級の存在感!

昨年は58年の歴史を誇るきさらぎ賞史上初となるキャリア1戦の4人気1着サトノフェイバーが勝利しこれまでの歴史を覆す結果となりましたが、さすがにクラシックとの繋がりが強いレースだけあって新馬戦勝ち直後となる『キャリア1戦』の馬は17年以前の過去10年で見ても1頭も馬券圏内に入っていなかったのが現実で、13年1人気8着リグヴェーダ、16年3人気7着ロワアブソリューなど人気での凡走も多く含まれるため注意が必要でしょう。それなら過去10年で6頭が馬券圏内に入った『前走未勝利組』を狙った方がまだ馬券的な旨味があるとも言えそうで、12年2人気3着ベールドインパクトを除く6頭中5頭が5人気以下であることからもそれは明らかでしょう。こういったきさらぎ賞の傾向を見据えた上で、本命馬を絞り込む上で非常に有効な作戦になるのが【キャリア2戦以上で複勝率100%】の馬の存在です。過去10年で上記の条件を満たす馬は連対率が50%を越えているように好走率が非常に高く、09~16年の間8年連続でこの条件を満たす馬が勝利していることからもその信頼性の高さが理解できると思います。近2年こそ勝ててはいないものの、17年1人気2着サトノアーサー、18年2人気2着グローリーヴェイズが上記条件に該当しており連対記録で見れば09年から10年連続となる抜群の安定感を誇るだけに、連軸候補を決める際にかなり有効なデータと言っていいのではないでしょうか。

 

今年の出走予定馬の中で上記条件を満たす馬は、アガラス、エングレーバー、メイショウテンゲン、ランスオブプラーナの4頭となっており、この4頭の中でも上位人気に推される可能性の高いアガラス、エングレーバーの2頭はこれまでの安定感も含めて高評価しておくべき存在と言えそうです。

 

③ 忘れた頃に波乱を演出する人気薄の先行馬は『先行しての好走実績』が必須!

元々紛れが少ないことコース形態であることに加えて、13年以降は10頭立て以下で少頭数のレースになりやすいこともあって基本的に固い決着が多いレースではありますが、11年8人気2着リキサンマックスや13年6人気2着マズルファイヤー、17年6人気1着アメリカズカップなど人気薄での好走がないわけではありません。そしてこれらの馬に共通するのが『先行して早め先頭からの粘り込み』といった競馬であったという点です。基本的に切れる末脚を持つ馬が人気しやすいこともあってレース全体の意識が後方に傾くことが多いですが、そういった後傾ペースで逃げ・先行馬が穴をあけるのはこれまでの歴史において何度も繰り返されてきた光景であり、きさらぎ賞においてもそれは例外ではありません。特に京都外回りコースは距離こそ違いますが、11人気イングランディーレが後方で牽制し合う上位人気馬を尻目に7馬身差で逃げ切った04年天皇賞・春や、ほとんどの馬が後方に控えるブエナビスタを意識し過ぎた結果11人気クイーンスプマンテと12人気テイエムプリキュアの『行った行った』で大波乱となった09年のエリザベス女王杯のように、圧倒的な人気を集める馬が後方に控えるメンバー構成の時ほど大逃げがハマりやすいコースであることからも、これまでに淀みない流れで先行して好走実績がある馬は穴馬として要注目の存在だと思います。

 

今年の出走予定馬の中でこれまでにミドルペース以上の先行する競馬で好走実績のある馬は、アガラス、ダノンチェイサー、マコトジュズマル、ランスオブプラーナの4頭となっています。個人的には勝ち鞍こそ前走の未勝利戦のみですが、今の力のいる京都の馬場で1000m59.7の速い流れを3番手追走からしぶとく伸びて押し切ったマコトジュズマルは今回単騎逃げが見込めそうなことからも、波乱の主役として注目しておきたいと思います。

 

《きさらぎ賞2019》

《過去データ分析から見る本命馬》

 

【メイショウテンゲン】

先週までの馬場状態が続くようであれば末脚の切れで勝るヴァンドギャルドの方を本命にしようと思いましたが、土曜日夜の降雪の影響でさらに京都の芝がパワーを要する重たい状態になっていることを考慮した上で、思い切って同馬を本命評価にしたいと思います。勝ち上がるまでに4戦を要したものの、これまで接戦を演じてきた相手がワールドプレミア、タンタラスといった強い相手であったことから同馬のレベルが相対的に高いのは間違いなく、さらに前走の未勝利戦で直線大きく外に斜行しながらも最後は余裕十分に差し切った内容はインパクト十分のものでした。デビュー戦から全てのレースでメンバー中2位以内の末脚を繰り出しているようにどんな展開でも確実に伸びてくる末脚が最大の武器で、その息の長い末脚が最大限活きる上に坂の下りで加速できる京都外回りの1800mは現時点でのベストコースではないでしょうか。前走の走りを見てもまだまだ肉体的・精神的に幼い面があるのは間違いなく、33秒台の切れる脚を使わされる展開になった時に不安は残るものの、今の非常にタフな京都コースは同馬にとって確実に追い風と言えるだけに、問答無用の大外一気に期待したいところですね。