2018年3月3日(土) 阪神競馬11レース
第25回 チューリップ賞(GⅡ) 阪神芝1600m
《チューリップ賞2018 追い切り後見解》
・3枠3番 スカーレットカラー (岩田 54kg)
栗東Cウッドにて僚馬と2頭併せ馬での最終追い切りで、直線に入ってもしばらくは半馬身くらい遅れる形となっていましたが残り100mくらいから追われるとしっかり反応し、ラストは4F52.5-12.1のタイムで併入の形に持ち込みました。疲労を残さないようにしつつもゴール前で負荷を掛けられているようにメリハリの利いたいい感じの調教で、コンスタントに使われながらも好調をキープしていると見て問題ないと思います。
・4枠4番 マウレア (武豊 54kg)
美浦ウッドにて3頭併せ馬での最終追い切りで、直線3頭の最内に入るとスッと半馬身ほど前に出てその着差をキープしたままの併せ馬で、ゴール直前だけ一杯に追われると最後は5F66.9-12.8のタイムで半馬身先着しました。前走を叩かれて確実に上向いてきている印象で、今回しっかり追われたことで気持ちが入ってくれば巻き返しは十分考えられるだけの仕上がりではないでしょうか。
・5枠5番 ラッキーライラック (石橋脩 54kg)
栗東Cウッドにて僚馬と2頭併せ馬での最終追い切りで、直線に入って内から併走相手に並びかけると余裕十分といった感じで楽に抜き去り、ラストは6F82.4-11.9のタイムで楽々3馬身先着を果たしました。最後まで持ったままながら馬自身が加速して併走相手を突き放した内容はまさに一流馬の動きそのもので、全くブレのないフットワークからも普通に走ればまず間違いなく勝ち負けの存在だと思います。
・8枠9番 リリーノーブル (川田 54kg)
栗東Cウッドにて川田騎手が騎乗して2頭併せ馬での最終追い切りで、直線に入って手応え十分に併走相手を抜き去ると最後は5F68.2-11.5の切れ味抜群の走りで5馬身近い大差先着を果たしました。まだ随所に行きたがる面を見せる点はありますが、それを差し引いても追われてからの直線の伸びは申し分ないものがあり、ラッキーライラックへのリベンジを果たす上でも文句なしの状態に仕上がっていると見てよさそうです。
・8枠10番 サラキア (池添 54kg)
栗東Cウッドで池添騎手が騎乗しての僚馬と2頭併せ馬での最終追い切りで、終始馬なりの手応えでしたが直線に入ってからはしっかり反応して併走相手を楽に抜き去り、6F81.8-11.7のタイムで1馬身先着を果たしました。併走相手を交わす際の小気味いいフットワークが目を引き、キャリア1戦ではありますが好状態で出走できるのは間違いないと思います。
《チューリップ賞2018 追い切り後展望》
上位人気に推されそうな馬は軒並み好内容の最終追い切りを消化したと見てよさそうですが、その中でもラッキーライラックとリリーノーブルの阪神ジュベナイルフィリーズ1、2着馬が見せた動きはワンランク上のモノを感じさせる内容でした。ラッキーライラックは全く無理をしてないにもかかわらず古馬でもなかなか出せないようなタイムを叩き出し、リリーノーブルも追われてからの一瞬の加速力は間違いなくGⅠ級のモノであるのは間違いないと思います。もちろん次に本番の桜花賞が控えているだけに取りこぼす可能性はゼロではありませんが、これだけの動きを見せてきた2頭に対して他馬がこの2頭の牙城を切り崩すには相当の上積み必要となってきそうですね。
《チューリップ賞2018 最終予想オッズ》
①人気 ラッキーライラック 1.8倍
②人気 リリーノーブル 3.4倍
③人気 マウレア 4.6倍
④人気 シグナライズ 9.2倍
⑤人気 サラキア 13.8倍
⑥人気 スカーレットカラー 16.9倍
⑦人気 レッドランディーニ 69.4倍
⑧人気 サヤカチャン 60.4倍
⑨人気 カレンシリエージョ 145.7倍
⑩人気 ウインラナキラ 281.3倍
《チューリップ賞2018 展開予想》
まずハナを奪う可能性があるのは前走の新馬戦を逃げて勝利したダンサールかアルテミスステークスを逃げて2着した経験のあるサヤカチャンの2頭だと思います。ただダンサールに関しては前走が2000mということもありペースの違いからスタート後の行き脚の面で、サヤカチャンに関しては近走行き脚が今一つで行き切れてないレースが続いていることからも2頭が行き切れない可能性もあり、予想外の馬が逃げてレース全体がスローペースになる可能性も想定しておいた方がいいかもしれませんね。それらを見ながら先行する可能性が高いのはリリーノーブル、シグナライズ、クリノフラッシュといったところでしょうか。デビュー2戦は先行する競馬で連勝しているラッキーライラックも先行するかもしれませんが、先行させて行きたがってしまった場合本番の桜花賞に悪影響が残る可能性を考えると今回は控える可能性が高そうです。スタートセンスが良く先行力もあるリリーノーブルが全体のペースを考えると一番展開利がありそうですが、後続馬の格好の目標になることも考えると川田騎手がどのタイミングで仕掛けるかが全体のペースに大きく影響を及ぼしそうな気がします。そして中団から後方で脚を溜めるのはラッキーライラック、マウレア、スカーレットカラー、シグナライズ、レッドランディーニといったところでしょうか。この中でペースのカギを握るのはラッキーライラックで間違いないでしょうが、前走ハイペースを先行してなし崩しに脚を使わされ今回武豊騎手に乗り替わったマウレアが徹底マークしてくる可能性が高く、ラッキーライラックにとってはこのプレッシャーに打ち勝つことができるかどうかが今後の活躍に大きな影響を及ぼしそうですね。今回は阪神ジュベナイルフィリーズ以来となるラッキーライラックとリリーノーブルに対して順調に使われている強みを生かしてマウレアやスカーレットカラーなどがどれだけ戦えるかが焦点となるのは間違いなく、桜花賞に向けても各馬のレース内容はしっかりチェックしておきたいところですね。
《チューリップ賞2018 最終1着予想》
スカーレットカラー(牝3)
前走:フェアリーステークス(GⅢ)6人気2着
父:ヴィクトワールピサ
母父:ウォーエンブレム
前走のフェアリーステークスではやや立ち遅れ気味のスタートから道中は後方馬群に控え、4コーナー手前から大外を一気に仕掛けて上がっていくロスの多い競馬内容でしたが、直線一旦は先頭に立ちながらも内をロスなく回ってきたプリモシーンに交わされての2着惜敗でした。ただ、終始スムーズな競馬だった勝ち馬に対して粗削りながらも長くいい脚を使った同馬も強いレースを見せており、勝ち馬と同じくらいの評価を与えてもいいのではないでしょうか。デビュー戦ではファンタジーステークス3着アマルフィコースト相手に2着し、続く未勝利戦では東京スポーツ杯2歳ステークス3着馬シャルルマーニュに完勝、そしてアルテミスステークスではラッキーライラック相手に0.4差の5着と好走して2走前の白菊賞もリリーノーブル相手に0.2差の2着と、これまで全レースで強い相手と互角のレースを見せている能力の高さは評価すべきポイントと言えるでしょう。さらにデビューから5戦全て違う競馬場でのレースながら好走しているコース適性の広さと対応力の高さも同馬の持つ大きな武器と言えそうで、これまでの経験値を生かしてここで阪神ジュベナイルフィリーズの上位馬を全て負かしても全く不思議ない能力を持った1頭だと思います。